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暇な同僚に感謝

 昔、昔、私が高校の先生だったときの話です。仕事で忙しくて忙しくてパニックになっているときの話です。先輩の先生に、「忙しくてトイレも駆け足で往復しなければならないのに、○●先生はいつも暇にしているんだ!」と愚痴りました。その先生曰く、「もし、おまえ以外の先生全員が、おまえより授業がうまく、おまえより生徒に人気があり、おまえより仕事が出来たなら、きっと暇になれるよ」、「でも、そうなりたい?」。もちろん「否」です。この言葉は、現在の私の研究室の研究テーマに繋がっています。真面目な子どもたちを集め、不真面目な子どもたちを集めて実験をさせました。結果として、もともとの割合と同じ割合で、それぞれの集団の中に、真面目/不真面目な子どもが生じました。つまり、私も暇な同僚のおかげで、忙しくさせてもらっているわけです。

 でも、私は忙しく、○●先生は暇ということ自体が誤りなのかもしれません。高校の職員旅行の宴会の際の話です。それまでは酒も入った勢いでワイワイとざわついていたのが、急にシーンとなりました。原因は、宴会に参加した一同が、ある先生が隣にいる先生に話している内容にビックリして聞き耳を立てたためです。その先生は、職員会議のような公の場で、「その日は家族サービスがあるから、私はやらない」と胸を張って主張される方で、ある範囲の人の間では有名な方でした。その先生が隣の先生に、自分は色々な先生から仕事を押しつけられて、忙しくて大変だと話していたのです。それに対して、宴会に参加した一同が唖然となってしまい、急に静かになりました。その先生が宴会場から退出するやいなや、爆笑が起こったことは言うまでもありません。つまり、「忙しい」、「仕事を押しつけられている」という感覚は主観的なものなんですね。ちなみに、最近、学生食堂でごく親しい先生から、笑いながら「大学のために何の仕事もしていない西川先生」と呼び止められました。自戒。自戒。