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分からない

 私が高校2年の3学期で、進路をどうするか悩んでいる時の話です。職員室に行って、数学の先生に、「数学は、もう全部分かっているのに、大学に行って何するんですか?」と質問しました。もちろん、先生は唖然とした顔をされていました。

 その当時の私は、本気で数学はもう完成されしきっていると思っていました。だから、大学でも、高校と同じように、誰かがずっと以前に明らかにしたことを、勉強するんだと考えていました。数学以外の科目も、多かれ少なかれ、それに近いイメージを持っていました。

 高校での勉強は、誰かがずっと以前に明らかにしたことを、勉強する連続です。自分自身が何かを発見するということを想像できなかったのも当然のように思います。ところが、生物の先生の授業はひと味違っていました。その先生の授業では、「ここから先は、今でも分からないんだ」と話されることがたびたびありました。それを聞いた私は、そんなにいっぱい分からないことあるならば、自分にも何かが発見できるのではと感じました。そのため、「生物学」の大学に進学しました。

 大学に入って、遅ればせながら、どんな学問も、分からないことだらけであることを気づきました。それなら、もっと「これこれのことは、まだ分からないんだよ」と高校教科書に織り込むべきなのではと感じています。このことは、ある教科書会社に提案しましたが、いまのところ採用はされていません。