■ [ウルウル]師恩
昨日、大学に家から急な連絡がありました。内容は、○○さんという方から大きな荷物か届いたとのこと。家内が開いてみると、超りっぱな五月人形。宛名は私の息子の名前とのことでした。○○さんとは、私が高等学校で教えてもらったA先生のことでした。びっくりして、帰宅後に人形を見たら、本当に立派な人形でした。鯉のぼりは妻の実家から送られていたので、息子の初節句の用意は、これで万全となりました。夜電話したところ、「あんな年賀状を送られたからな」とサラリといわれてしまいました。今年の年賀状は、親馬鹿丸出しの子どもの写真でした。それから、いろいろと電話で話しました。その先生は、とても大変な学校にお勤めです。しかし、電話での話では微塵もみせず、さらり、さらりと話されます。昔のまんまの声、私の近況の話ばかりでした。そのときはガハハと笑い通しでしたが、受話器を置いた後、私には40を越えても「先生」といえる人がいるんだと思うと涙が止まりませんでした。
■ [ゼミ]弟子恩
昨日、学部学生からメールが来ました。内容は、卒業研究の近況報告です。色々書いていましたが、その中で
長野へ調査に行くときは、Kさんのおうちに泊めていただき、埼玉に調査に行くときは、Aさんのおうちに泊めていただけるかもしれません。
私は、たくさんの人に協力してもらい、迷惑をかけ、無理を押し付けながら、それでも、好意的に理解してくださる人達のおかげで、こうして、のほほんと研究ができるのだと
改めて、痛感しました。調査を始めるにあたり、自分の未熟さを実感しています。先生が前に、「人脈が大切」と話されていましたが、本当にそうだなあと最近強く思います。お金では買えないし、でも、生きていく上でとても大切なものだと思います。
Kさんとは現院生で、Aさんとは2年前に修了されたOBのことです。その学生の研究は、課題を与える際に、身近な他者を意識化させる方法の有効性を明らかにする内容です。そのために、一定の授業を現場の先生にお願いし、その様子をビデオ・テープレコーダで記録し、その後にインタビューをします。その学生には、その研究の意味と、そこから明らかにされることに関して議論しました。しかし、実施方法の段階になると、「AさんやKさんに相談しな」と言って、おまかせです。しかし、OBのAさん、現院生のKさんは、指導教官の替わりに細かな研究方法の相談、現場学校での調整を一手にやってくれます。また、私は学生に、「うちの研究室では、その授業のその場にいなければならないよ」、「その場にいて、感じるものが大事なんだよ」と無責任に言いました。私としては、調査実施校近くのビジネスホテルに泊まればいいんだ、と高をくくっていたら、メールにあるようにAさん、Kさんの家に泊まらせてもらうことになっているようです。
でも冷静に考えれば、現場の先生に学生の考える授業方略で授業展開をお願いし、手間のかかる記録方法をお願いし、さらに、その期間中宿泊をお願いし、なんて他の大学では無理無理なことです。ところが、そんなことをお願いしているのは、この学生だけではありません。あとの二人も同様です。特に一人の学生の場合は、既に3ヶ月間という長期にわたって、一定の授業方略で3人の先生方に授業をお願いし、記録記録をさせてもらいました。
研究上、必要なことがあれば、OBに電話かメールでお願いすれば、直ぐ解決します。その他、うちの研究室の、殆ど全てのことは院生さんにお任せします。つまらないことでは、学会に行ったときの宿泊、飲み会の設定は院生さんの中のコンパ係にお願いしています。うちの研究室の研究成果の編集及び発送も係りの方にお願いしています。その他、その場、その時におこる様々なことに関して、院生さんに「お願いします」で解決できます。つくづく、院生さんのおかげで成り立っている研究室だなと感じます。