■ [親ばか]ヘッケルの学説
大学で受けた発生学の講義の中で「個体発生は系統発生を繰り返す」というヘッケルの学説を聞きました。つまり、受精卵から胎児になる過程は、我々の祖先が経た進化の過程に一致することを意味します。具体的には、我々の受精卵は魚類に似た姿に変化します。そこには、エラなどがあります。やがて、両生類、は虫類に似た姿に変化します。最終的には、猿の胎児に似た姿に変化します。
現在、私の子どもはつかまり立ちの段階から、数十秒程度は立てる段階にまで進んでいます。息子を見ると、より遠く・より広く見るために立ちます。さらに、両手を離して、立つときは、何かを両手で持ちながら、かつ、より遠く・より広く見るために立ちます。それを見ながらヘッケルの学説を思い出します。きっと、今から数百万年前のいつか、サバンナの平原の中で、我々の祖先はより遠く・より広く見るためにつかまり立ちをしたのでしょう。また、両手に食べ物を持ちながら、より遠く・より広く見るために立ったように思います。今から20年前に聴いた講義が、こんなときに思い出されるんだな~、と少し感激しました。