■ [発見]長靴文化
「西川さん。上越は雪降った?東京では10センチも降ったんだよ!」
「いいえ、上越の方はまだそれほど降っていません。たった20センチぐらいです」
上越では膝上にならなければ、雪が積もったという意識はありません。でも、東京に膝上まで雪が積もり、それも1週間も積もり続けたら、きっと数千人(もしかしたら数万人)の死傷者が出るでしょう。だって、交通機関が止まり、その結果、食料品が滞る。水道、電気が止まる。救急車も動けない。結果として多数の凍死者、餓死者が出るでしょう。
でも上越では平気です。理由は行政も住人も雪慣れしているので、除雪対策はばっちりです。大抵の雪の場合は、積もったそばから除雪されます。だから、積雪が1mだとしても道の雪は速やかに除雪されます。それに、こちらの車はスタットレスタイヤを履いています。冬に関越自動車道を東京方面に行くと、反対車線(つまり関東からの方向)を見ると、スリップしている車によく出会います。関東地方の人は雪用タイヤは持っていませんから。
雪用タイヤの他に上越の人が必ず持っているものに長靴があります。長靴といっても小学生が履く雨用長靴ではありません。滑りにくく、防寒機能を持った雪用長靴です。上越の人は冬季期間は雪用長靴で過ごします。上越の靴屋にはいると、実にカラフルで多種多様な長靴が、店の大きな部分を占めています。
長靴に関して面白い習慣が上越にあります。上越では結婚式でも長靴です。つまり、服装は礼服なんですが、足下は長靴です。はじめは面食らいました。結婚式でさえそうなんですから、現場の先生方との研究会、納会でも背広に長靴で通しています。東京出身の私にとっては、長靴は小学生以来履いたことはありません。とてもかっこの悪いものという印象が強いです。しかし、慣れれば慣れるものです。堅苦しい席に、長靴で行くことに抵抗感を感じなく なれば、上越生活に慣れた証拠です。