■ [大事なこと]子どもが悪い
修士1年のHさんが全体ゼミで発表しました。発表では、総合学習のクラスの中で、良いクラスと悪いクラスが生じた理由を分析しています。分析の結果、教師の目標設定のあり方(その背景としては授業観)に原因があることが明らかになりました。 その際、それらのクラスを構成する子どもたちの違いに由来するのでは?という質問が生じました。それに対して、私は以下のように思います。
仮に、日本中の子どもの中で、悪い子どもが半分、良い子どもが半分だと単純化します。そうすると、クラス全員が悪い子どもで占められる可能性は、二分の一の30乗~40乗となります。明らかに、そんな可能性はありません。全員というのは極端ですが、クラスの多くが悪い子で占められるという可能性もかなり低くなります。結局、どのクラスも約半数は悪い子で、約半数は良い子となります。何が言いたいかと言えば、確かに一人から数人の集団であれば、その構成する子どもたちの特徴が如実に出ます。しかし、30人以上となれば、よほど意図的な選択をしない限り、ほぼ等質な集団となります。
従って、子どもの特徴で解釈することには妥当性はないと思います。それに、「子どもが悪い」という解釈は、安易な方法で、そこから授業改善は「全く」生まれないと思います。
追伸 教師をやっていると、本当に悪い子というのはいないというのが私の感覚です。従って、上記の二分の一という仮説も、最悪の状況の場合です。実際は、殆どのクラスの場合、良い子ばかりのクラスが多いと思います。ただし、とても手のかかる子どもはいて、その子がリーダー格であった場合は、とても大変になることは理解できます。しかし、その手のかかる子をクラスのリーダー格にしているのは、他ならない教師であることを忘れてはいけないと思います(おそらく、無意識だと思いますが)。