お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2002-10-09

[]モデル18:21 モデル図 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - モデル図 - 西川純のメモ モデル図 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 卒業研究指導教官からは、一流の研究は図表で分かる、それを見れば本文を読まなくても一発で分かる、と言われました。読んでみると、確かにそうです。ところが、教育学の世界に入ってから、様々なモデル図に出会います。しかし、全く分かりません。

 教育の世界のモデル図(実は大学の改革案にある図も・・・)は、やたらと要素が多いことが特徴です。関係ありそうなものが、とにかく全部網羅されています。それぞれの間に矢印がひいているのですが、ほぼ全ての間に矢印が引かれています。ご丁寧にも、両矢印が殆どです。つまり、関係ありそうなものは、全部関係がある、という内容です。そんなことなら、図を読まなくても分かり切ったことです。さらに、意味ありげな図形が書かれたり、個々の要素が意味ありげな位置に配置されます。説明を聞くと、それなりの意味があるのですが、そんなこと聞かなきゃ分かりません。聞かなきゃ分からない、読まなきゃ分からないなら、図で表記する必要性はありません。そういう図を見るたびに、一流じゃないな~、と感じます。さらに、それを読まなければならない立場におかれると、敵意さえ感じます。しかし、各種の研究会で、そのような図が氾濫し、意味不明造語が踊りを踊っていることが、あまりにも頻繁なんで、「きっと自分が愚かだから、そうなんだろうな」と考えていました。

 本日大学近くの高志小学校研究会がありました、そのホームページに以下の文面がありました。「我が意を得たり」と思いました。

○   研究仮説は、ほんとうに必要なのか

○   年次研究計画は、ほんとうに必要か

○   目標分析をする必要があるのか

○   独自の用語を作るのが、研究

○   勤務時間を超越しないと研究開発ができないのか

○   モデル図を作るのが研究開発か

[]信じられない 18:21 信じられない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 信じられない - 西川純のメモ 信じられない - 西川純のメモ のブックマークコメント

本日新潟県教育センターで12、3年の理科先生に対して講演を行ってきました。話したい内容を絞るに絞りきれず、とにかく一気呵成に話すという、我が研究室が考える最悪の講演を行いました。講演の後、指導主事の方が「せっかくの機会ですから、ご質問はありませんか?」と言われました。しかし、見知らずものが集まった状態で、手を挙げられるには、よほどの勇気があります。そこで、たまたま目のあった若い男の先生に、「何かありません?」と指名してしまいました。その先生曰く、「うーむ、信じられない!」とおっしゃっていました。さもありなんと思います。

 本日は、「学び合い不思議と仕組み」に紹介した、Aさんの研究です。内容は、実験に参加するかしないかは、理科実験)に対する興味関心よりも、他者との関係によって決まる、という内容です。おそらく、そのあたりまではフムフムと納得されると思います。しかし、その後、Kiさんの私語研究になると、授業中の私語は良いものだ、と言われても、おそらく「でも私語が暴走したら」と思うのが一般の先生方の反応です。さらに、Mちゃんの「教えないスケッチ指導」となると、教師が教えないのに授業が成立するという研究です。こうなると、2時間程度の講演では「信じられない」というのが正直でしょう。せめて本を読んでもらって、できれば学術論文を読んでもらいたいと思います。でも、本当は我々の研究室に所属し、2年間、西川研究室の文化に染まると分かってもらえるのですが。