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2003-01-13

[]臨床教科教育学会へ参加していただいた方への御礼 17:20 臨床教科教育学会へ参加していただいた方への御礼 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 臨床教科教育学会へ参加していただいた方への御礼 - 西川純のメモ 臨床教科教育学会へ参加していただいた方への御礼 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 1月11日に臨床教科教育学会の大会上越教育大学で開催いたしました。参加の方々に感謝したいと思います。

参加者の方々へ

 当日は遠方からご参加いただきありがとうございました。皆様の参加により質の高い議論が出来たこと感謝いたしております。遠方からの参加されるため閉会式以前にお帰りになった方も多かったと思います。閉会式の閉会の挨拶は私が担当でした。そこで以下のようなことを話させていただきました。

 私が高校教師であったときのことです。職員室の隣の部屋にお茶飲み場があり、そこでお茶を飲むのが大好きでした。それは、馬鹿話の中にためになる先輩の話を聞くことが出来たからです。私が失敗したとき、落ち込んだとき、先輩教師から「俺も○○ということあったんだよな~。その時は、○○で・・・」とその先生の失敗談、そして解決の方法などを、クラスの様子がありありと分かるようなエピソードを聞かせてもらいました。先輩教師の教科は様々です。K先生の場合は英語、SUW先生の場合は数学、SUZ先生の場合は社会、SA先生国語F先生は体育でした。しかし、そのことに違和感を感じることはありませんでした。それは、先輩教師が語ってくれたのは教科学習の場面ではありますが、教科の内容ではなく、教科を学ぶ子どもの姿(そして教師の姿)だったからだとおもいます。

 学者として数多くの学会に所属しています。その多くは教科を単位とした学会です(例えば理科教育学会、地学教育学会・・)。また、複数の教科を含んだ学会(例えば教科教育学会)に参加すると、参加者発表する教科を本にして見る見ないを判断する姿を目にします。これは学問の世界ばかりではないように思います。現場研究会でも、教科ごと、学年ごとに分科会が作られるように思います。そして、そこで語られることの多くは「教師が何をしたか」、「どんな教材か」であっても、「それを学んだ子どもはどのようにうけとったか」は語られていないように思います。

 本学会に参加していただいた方にはご理解いただけたと思いますが、扱っている教科・学校段階が多種多様です。しかし、その全ての発表において、「教科を学ぶ子どもを見よう」という基本姿勢は一貫していたように思います。今回の発表者の多くは、上越教育大学の戸北・西川研究室メンバーです。メンバーには、小学校先生中学校先生高校先生がいます。また、国語先生も、社会先生も、理科先生もいます。しかし、同じ部屋で、互いの研究を語るとき、その教科の違い、学校段階の違いを意識することはほとんど無いと思われます。

 良き職員室では、全職員が教科・学年の違いを越えて教育を語ることが出来ます。我々は、そのことを教科学習においても行いたいと思っています。私が経験したお茶の見場での学びの場を、より全国的なレベルで展開したいと願っています。来年度は、より多くの方からの発表を募り学会を開きたいと思います。是非、他教科、他学校段階の先生方に語れる、「教科を学ぶ子どもの姿」に関する研究を募集いたします。その第一歩として、学会への参加をお誘いする次第です。

 繰り返しますが、遠方にもかかわらず学会に参加していただいたこと、準備者の一人として厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

院生の方々へ

 見事でした。言うことありません。これだけの配慮が出来た学会って少ないと思いますよ。会員千人レベル学会全国大会の事務局長を3回やった私もビックリです。ありがとうございました。やはり、信じて良かった!