■ [親ばか]動かさない 
名作の小説、それに基づく映画の両者にはある関係があります。それは、名作といわれる映画を見た後で、原作を読むと感激します。しかし、原作を見た後で映画を見ると、幻滅するのが普通です。（そう見えない場合もあります。例えば「スターウォーズ」です。しかし、この映画の場合は原作は映画で、小説は映画に基づくもので、関係が逆です。そして、小説の方は駄作です。）なぜ、そのような関係があるかといえば、小説の場合、得られる情報が限られるため、その情報に基づいて読者が膨らまさなければなりません。その膨らませた後の情報量は、映画の情報の比ではありません。
息子はプラレールが大好きです。最近気づいたのですが、プラレールのモーターのスイッチを入れないんです。つまり、動かさないんです。どうしているかといえば、ごく短い区間のレールを繋げ、スイッチを入れないプラレールの列車を自分の手で動かしています。 静かに見守っていると、息子はぶつぶつと何かを喋りながら列車を動かしています。おそらく、彼なりの物語を作り上げながら列車を動かしているんです。つまり、列車の動きを楽しんでいるのではなく、列車を「一つ」の道具を使いながら楽しんでいるようです。
彼は、小説を楽しむ資質があるようです。
