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2004-10-17

[]望む学習集団 13:05 望む学習集団 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 望む学習集団 - 西川純のメモ 望む学習集団 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は色々なところで「教師は親ではない」と主張します。そして、「一人一人の子どもと繋がるのではなく、集団を管理するのが教師の仕事だ」と主張します。我々の目指す教師の姿は、テレビ番組でプロトタイプ化されているような熱血教師でも、優しい先生でもありません。一言で言えば、上司なんです。ただし、やる気を起こさせる上司です。同様に、我々が目指すべき学習者集団は、仲良しこよしの集団ではありません。一言で言えば同僚なんです。ただし、同じ目標を共有し、互いの能力を認め合った同僚です。

 同僚の中には、ウマの合わないやつもいます。それは自然です。全員が全員、ウマが合うもの同士で構成された職場なんて確率的にもありえません。もし、教師が仲良しであること 子どもたちを求め、また、子どもたち自身が仲良しであることのみを求めたらひずみが出ます。教師として求めるものは、その集団が達成しなければならない目標が達成されたか否かなのです。学習者集団に求めるのは、その目標に向かって一人一人が最善の行動をして欲しいと言うことです。職場においても、目標に向かって意見が合わないこともあります。でも、それが同じ目標に向かっての、それぞれが最善と思うことを主張していると信じ合えるならば、素晴らしいことではないでしょうか?同じ目標に向かい合えるならば同志です。多少の誤解が生じても、同じ目標に向かっているなら、ちゃんと話し合えば必ず解決できます。 同じ目標に向かっているのならば、仲良くなろうとするし、実際仲良くなると思います。もちろん、どんなになってもウマの合わない人はいます。でも、その人を含めて、自分たちの所属する集団のメンバーに対して、それなりの尊敬をもてるならば、それは望むことの出来る最高の学習者集団であると私は思います。

 逆に、もし仲良くなること(正確に言えば、仲が悪くなることを避ける)ことのみになり目標は何かを忘れれば目標が達成されず、結局、仲は悪くなります。

追伸 教師として注目すべきは、目標が達成されているか否かです。仲がいいか、否かではありません。子ども達にも、まず、目標が共有されているか、目標が達成されているかに着目して欲しいと願います。学習者集団の目標が達成されていなかった場合、その原因は目標の設定が誤っていることを意味します。それによって、目標が集団に共有されていないことが根本的な原因です。従って、その場合は、目標の設定に何度でも立ち戻らなければなりません。対処療法のみでは無理です。