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2005-03-14

[]出版計画 09:09 出版計画 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 出版計画 - 西川純のメモ 出版計画 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 先週、Ymさんの研究がまとまり、やっと異学年学習を中心とした本の原稿がまとまりました。平成13年に修了されたKさん、平成14年に修了されたKさん、Mさん、Yさんの研究と併せて「学び合う学校」という題で出版するつもりです。本来だったら、平成15年に出版する予定だったのですが、その年に入学されたYmさんが異学年学習を計画し、それがすごく面白い内容だったので、それの完成を待とうと思い今年まで延ばしました。結果として、平成15年に修了された皆さんの研究をまとめた「座りなさいを言わない授業」の方が先行して出版することになりました。しかし、待っただけのことはありました。Ymさんの研究は多学年で構成される異学年学習の姿を明らかにしています。Kさんから始まった異学年学習の研究は、一区切りがつきました(もちろん、今後も発展させますが)。Yさんのジェンダーはちょっと異質ですが、より広い学び合いを展開するということに関しては一致します。しかし、なによりも、Yさんの研究を現場に還元するのを、これ以上、送らせることに良心の呵責を感じます。ジェンダーは重要なテーマです。そのことに気づいて、西川研究室でやろう、と思ってくれる人のためにも一緒に出すことにしました。

 なお、現在計画中の出版計画は以下の通りです。まず、今年修了されるYzさん、H、Ymさん、それと来年修了されるIさんの研究を中心に、教職員同士の学び合いをテーマにした本をまとめたいと思います(仮題 学び合う職員室)。もう一つは、来年修了される、Iさん、Kさん、Gさん、それと過去のOBの研究を中心として、学力を保証する学び合い、という題の本を出そうと思います。そこでは、学力向上には個別学習が必要(ここまではフロンティア事業と同じ)、しかし、それを実現するためには教師主導では不可能、子どもが自主的に学び合う環境が学力を保証する、という内容をまとめようと思います。これらに関しては、平成18年度中には出版したいな~と思います。

 その他に二つ、暖めていて、原稿を書き留めている本があります。一つは、「なぜ理科を学ぶのか:自信を持って教えるために」という本です。この本では、一般に議論されている「理科の学ぶ意味」が間違っていることを明らかにし、私の考える理科を学ぶ意味を語りたいと思います。一言で言えば「人格の完成を目指した理科とは何か」を、抽象論やお題目ではなく、具体的に示したいと思います。題材としては理科を題材としていますが、「なぜ理科は難しいと言われるのか」と同様に、他教科の先生も読めるし、そのほうが共感的に読める内容になると思います。

 もう一つは、「いい先生」です。そこでは、多くの人が持っている「いい先生」のプロトタイプを壊し、本当のいい先生の姿を明らかにしたいと思います。多くの先生は、テレビドラマで作られた誤った「いい先生」に囚われて、無理矢理それに合わせようと努力し、それが無理だと気づくと、「いい先生」になることを放棄しているように思います。しかし、本当の「いい先生」の姿は多様で、だれでもなれることを示したいと思います。以前のメモ(教師にむいている・むいていない)にも書きましたが、私自身も、高校教師だったとき、自分自身が「教師に向いていないんじゃないか」と悩みました。大学院の指導教官だった小林先生に、「○○先生は、これこれですごい先生なんです。△△先生は、これこれで良い先生なんです。私には一生かかっても、あんな先生にはなれません。」と愚痴ったことがあります。そのとき、小林先生は、「職業柄、たくさんの良い先生にあいましたけど、話のうまい良い先生もいますし、話の下手な良い先生もいます。明るい良い先生もいますし、暗い良い先生もいます。君は○○先生や、△△先生のようにならなくても、君は君のままで良い先生になれるよ。」と教えてくれました。えらく感動しました。最近、小林先生の言葉の本当の意味が分かったように思います。つまり、多くの先生は、「○○をする(○○をしてくれる)」や、「○○という特徴がある」のように外面に表出するレベルで「いい先生」を捉えているようです。まあ、テレビドラマ的にはそうでなきゃ描くのが大変ですから。でも、本当は心の中にある子ども観・授業観・学校観が大事なんです。同じ子ども観・授業観・学校観であっても、その表出の仕方は様々です。しかし、そして、子どもや周りの人も、それを感じて「いい先生」だと思うんです。そのことを書きたいと思います。後者二つは、出来るだけ早くまとめたいと思います。ただし、これをまとめるのは集中できる時間が必要です。でも、今年、それを確保できるか不安です。

[]15年で初めて 09:09 15年で初めて - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 15年で初めて - 西川純のメモ 15年で初めて - 西川純のメモ のブックマークコメント

 中越では18年ぶりの大雪だそうです。幸い、上越はそれほどではありません。しかし、今年、私にとって15年で初めての経験があります。それは・・・。

 なんと、「義理チョコ」を一人の学部学生からもバレンタインデーにもらえませんでした!平成2年に学部学生をゼミ生として受け入れて以来、いつも女子学生がゼミに所属していました。その方々より「義理チョコ」をいつも貰っていました。しかし、今年はそれがありません(お~い、OGの皆さん~、先生は今年は貰えなかったよ~)。あんまり寂しかったので、 二、三人の女子ゼミ生に「ぐれてやる~。指導教官がぐれると、すごいぞ~」と愚痴りましたが、ニヤニヤされるぐらいで軽くいなされました。しかし、二人の女性の院生さんから「義理チョコ 」をいただきました。その方の机に、ホワイトデーのおかえしを置きました。ご賞味下さい。

[]ゼミ運営に関して 09:09 ゼミ運営に関して - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ゼミ運営に関して - 西川純のメモ ゼミ運営に関して - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ運営に関して、全員に語ります。

 今まで通り、全体ゼミ、学年ゼミ、個人ゼミの3本立てでやります。ゼミの活動の一部は、必修科目である「研究セミナー(学部・大学院)」、「実践場面分析演習(大学院)」、「実践セミナー(学部)」に連動しています。ちなみに、上記の講義は全曜日の4、5時限に位置づけられています。現状の学部生の過密講義のスケジュールから言って、学部・大学院の合同のゼミはその時間以外に設定は不可能と思われます。そこで以下のようにしたいと思います。

 金曜日の4限に全体ゼミを行います。金帰月来(金曜日に帰り、月曜日に戻るというパターン)の家族持ちの院生さんには申し訳ないのですが、学部と大学院が一緒になってゼミ活動をするという我がゼミ特有の運営をするためには、そのような設定をせざるを得ません。ご理解下さい。

 金曜日の5限は学部3年、4年合同の学年ゼミを行います。来年度の大学院生さんの学年ゼミの運用に関しては、来年度の新メンバー(新M1)と来年度になって合同で決めて下さい。具体的には、M1とM2を一緒にやるか否か、また、何曜日の何時限にやるか等です。ただし、年度当初の運営に関しては現M1(来年のM2)とスリートップが考えて下さいね。

 金曜日の5限は、月に一回はゼミ会議に振り当てます。学部生の学年ゼミは、そこでの活動を学年ゼミとします。そこでは、ゼミ全体に関わる事に関して、相談したいと思います。

 いずれにせよ金曜日の5限には学部生の学年ゼミかゼミ会議があります。そのため、全体ゼミは4限で必ず終わらなければなりません。そのことを注意して下さい。

 必修課目である、「研究セミナー(学部・大学院)」、「実践場面分析演習(大学院)」、「実践セミナー(学部)」は、全体ゼミ及び学年ゼミでの活動で評価します。少なくとも、規定の授業日における出席はちゃんと取りますし、そこでの活動を評価します。といってびびる事はありません。多くのメンバーにとっては、今まで通りのことをやっていればA以外の評価は出るわけありませんから。ただし、言うまでも無いことですが、他のゼミはいざ知らず、「ちゃんと研究する」ということが我がゼミの特徴であることは、皆さん、ご存じのことと思いますよね。評価対象は規定日ですが、その日以外には無いということではありません。ゼミは皆さんのためにあるのであって、私のためにあるわけではないことを忘れないで下さいね。我々が何を目指しており、そのためにどのようなことをやっているかを心にとめて下さいね。

 本来でしたら、ゼミ会議でアナウンスすべきですが、そのシステムが「まだ」ないので、メモにてアナウンスします。

 全員に問いかけます。以上の運営に関して質問はないか?不都合はないか?何か変更・加筆の希望はないか?また、各ゼミ(全体ゼミ、学年ゼミ)の具体的な運営方法(例えば、時間内に全体ゼミを終わらせ、5時限に食い込まないためにはどうするか等)も考えて下さい。ただし、個人個人でバラバラと私に意見するのではなく、皆さんで意見集約をして私にぶつけて下さいね。皆さんの私を凌駕するアイディア、期待していますよ。