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2005-05-11

[]どうすればいいの? 15:24 どうすればいいの? - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - どうすればいいの? - 西川純のメモ どうすればいいの? - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我々が提案している授業は、心ある教師にとっては理想の姿です。だって、教師はニコニコ見まもっているだけで、子どもが主体的に勉強に取り組み、成績が上がる。そして人間関係も良好になり、問題児童が問題児童でなくなる。全方位でハッピーエンドです。そうなると次に発せられる問いは「どうすればいいの?」というものです。まあ、5分程度の話し合いを授業毎に入れるようにして、徐々にその時間を長くし、「学び合う教室」で紹介した自己モニターを導入するというのが、入門編としては安全でしょう。また、ある程度ベテランの先生ならば、「「静かに!」を言わない授業」の第3章に書かれているK閣下の実践あたりを参考にするのがいいと思います。でも、「どうすればいいの?」聞く人がイメージする「どう」の内容が問題です。「どう」ということが、「どのように話し(ひどいときには、どのような声の抑揚で語り)」、「どのような教材をどのような順序で与え」のレベルの場合、失敗する可能性があります。「どう」ということが、「どのように考えているの?」のレベルだったら成功するでしょう。我々の事例を読みながら、「あ~あれに近いのかな~」とか、「結局、子どもを信じるって事ね」と考える人ならまず安心です。

 方法をなぞっても、その方法が生み出だした考えを理解しない場合、無効になることを多く経験しました。逆に、その方法を生み出した考えを理解しているならば、その方法を使わなくても有効だということを経験しました。考え方が重要なんです。我々が詳細な事例、数量的なデータで伝えたいのは、方法ではありません。その方法を通して、その方法を生み出した考え方を伝えたいと願っています。その考え方というのは、実は簡単なんです(でも、難しいのですが)。簡単に言えば、子どもは自分と同じぐらい有能、子どもたちは自分以上に有能という確信なんです。

 我々がある教材を教えようとする場合、その教材をごちゃごちゃいじりません。教科書にある取りの教材で十分です。大事にするのは、子どもたち全員が「学ぼう」と思うような目標を考えることです。そのポイントは、「みんな」という意識です。他者と関わり合えるような目標を設定します。そして、普段の教師はここの子どもと繋がろうとすることを抑え、子ども集団に繋がろうとします。そして、自分が、自分が、とは思わず、俺よりも子どもの方が凄いと信じ、その確信に基づいて、その場その場の行動を考えれば自ずと答えは出ます。

 それが「どうすればいいの?」に対する答えなんです。このことって禅問答に近いように聞こえるんだろうな~