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2005-05-21

[]よくある質問 12:58 よくある質問 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - よくある質問 - 西川純のメモ よくある質問 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 先週の個人ゼミで「子どもたちの学び合いをさせようとしても、もし、誰も知らなかったらどうするのか?」という疑問が出ました。本に書いていたつもりなんですが、もしかしたらはっきりと書いてなかったのかもしれません。少なくとも、学び合いと学力向上に関する本にははっきり書かねばならないことです。改めて、ここで書きたいと思います。

 その学生さんの質問は、過去に何度も聞かれた疑問です。相手は、学生さん、現職院生さん、現場の先生、大学の研究者・・、様々な人たちから同じような疑問を受けました。そこで、「じゃあ、具体的にどんな教科、どんな学校段階、どんな学年でもいいから、クラス中の子どもが知らない、という状況を言ってよ」と言いました。その学生さんは、小学校中学年の算数の単元を例に挙げました。そこで、隣の部屋に黙って連れて行きました。その部屋には小学校の現職院生さん二人おられます。そこで、「○○を勉強する前に、すでに知っている子ってどれだけいる?」と質問しました。院生さんは、40人弱のクラスの場合、田舎で3,4人程度、公文式等が盛んな都市部では7,8人はいると応えました。その学生さんは、「誰も知らない」ということにかなりの自信を持っていたので、かなりビックリしました。

 そこで彼に語りました。

 「4人いたら十分だよね。だって、4人が教えるのと、一人の教師が教えるのと、どちらが個人対応できる?さらに、子どもの方が、子どもの持つ誤解を共感的に理解できることは本(「何故理科は難しいと言われるのか?」)に書いたとおりだよ。その4人が8人の子どもに教えたら、あっという間に12人の教師になることが出来る。」

 さらに付け加えました。

 「ただし、「誰も知らない」という状況が希ではあっても、全く無いとは言い難いね。でも、思い出して。日本の指導要領は、日本人全てがすべからく学ばなければならないこと、学べることの基準なんだよ。建前上、境界児も学べる基準なんだよ。つまり、それほど極端に高い基準ではない。だとしたら、教科書や、それにかわる教材を与えれば、教師が何もしなくても、それを読み解いて理解できる子はクラスに何人もいるはずだよ。」

[]シャルウイーダンス 12:59 シャルウイーダンス - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - シャルウイーダンス - 西川純のメモ シャルウイーダンス - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近、家内とデートしました。家内と「シャルウイーダンス」を見ました。本当だったら、手をつなぎながら見たかったんですが、近くに座っている人もいるので遠慮しました。この映画は、ご存じの通り、日本の映画賞を総なめにした映画です。私たちも見ましたし、感激しました。それが米国でリメークされたということで、再度、みたいと思いました。ただし、日本版がよかったので米国版もそこそこだろうな、という程度の期待です。前半は、日本版の方が上です。ダンス教室の仲間のキャラクターの表現、それにともなう面白さは、断然、日本版のほうが上です。しかし、夫婦の関係は米国版の方が、断然上です。後半になって、夫の行動にとまどう妻の葛藤、それにともなう夫の葛藤の表現は凄かった。本当に愛し合っているんだな~っと感じさせます。隣に家内がいるんですが、鼻をずるずるさせながら、袖で何度も涙を拭きました。後半は、ほとんど泣きっぱなしです。特に、感激したのは主人公(リチャードギア)の妻が、探偵に調査終了を言い渡す前の言葉です。ぼろぼろと泣きました。そして、なによりも良いのは、ハッピーエンドだからです。日本版と米国版のどちらも良い映画です。でも、もう一度見るとしたら、どちらを選ぶとしたなら、米国版を選びます。

 不遜ながら思います。あの映画は、恋人同士や新婚より、結婚経験の長い人にお勧めです。10年後、20年後に再び見たい映画です。