■ [う~ん]先行研究
昨日は学会で色々な発表を聞きました。一番の感想は先行研究を見ていない研究(?)が実に多いということです。もちろん、先行研究を全部調べるなどと言うことは、どだい無理であるということは当然です。しかし、ある学会で発表するとしたら、少なくとも、その学会の過去の研究をちゃんと読むのは、研究のイロハのイです。私が大学院生だった二十数年前と同じ(もしくはそれ以下)の研究発表を聞くのは苦痛です。
不思議なことがあります。研究者の指導を受けているか、もしくは、共同研究している研究の中に、上記のような研究(?)が散見しています。もちろん研究者と言えど、全ての領域に精通している訳ではありません。その研究者の過去の論文を思い起こせば、「あ~、知らないんだな~」と想像つく場合があります。でも、自分が知らなくても、「ちゃんと先行研究を調べろ」となんで指導しないのか謎です。さらに不思議なことがあります。その分野の権威で、私も尊敬している方の研究室の人が、今から二十数年以上前の研究以下の研究(?)をしている場合がありました。これは全く理解に苦しむところです。ただし、その方は「教師(研究者の教師という意味ではありません)」として素晴らしい方であることを知っています。おそらく、自分がさらし者になることを覚悟の上で、高度の教育上の配慮から何も言わないのかもしれません。
追伸 メンバー各位へ。そのように思われないように、先行研究のサーべーはちゃんとして下さいね。「実証的教育研究の技法」に書いたとおり、「先行研究はありません」というのは、愚かな判断です。私はさらし者になるのはごめんです。