■ [報告]玉砕
本日、Kさんのホームグラウンドである高校で、高校生相手に講演をしました。結果は、当初から有る程度予想出来たのですが、玉砕しました。だって、200人の高校生相手に、語りだけで1時間半持たせろというのが、無理な相談です。1時間5分で、へたばってしまいました。あとは、なんとかKさんがフォローしてくれました。
講演の後、Kさんの担任のクラスに行きました。子ども一人一人が自己紹介してくれました。私からの注文で、Kさんの授業について話して欲しいとお願いしました。一人一人から、かなり辛辣なコメントが来ました。でも、そのようなコメントが教師の目の前で出せるのは健全です。特に、注目したのは、ある子が「K先生は嫌いです」と言ったときです。そのとたんに、クラスに笑いが起こりました。一巡した後、来年の最後にもう一度、同じ事を聞きましょう、楽しみにしています、とKさんが言っていました。
我々は、教師に対する賛辞がわき起こる状態は望ましいものではないと考えています。教師がフェードアウトし、クラスメートが前面に出るクラスが望ましいと考えています。従って、1年後は、「K先生の授業は、どうっていうことないけど、でも、みんなで勉強出来て楽しかった」という応えが多く出るといいと思います。
さて、最後に「K先生は嫌いです」と言った子に対して、Kさんは「俺は○○君は好きだよ」と言いました。それを聞いたとたん、私の高校教師の時代を思い出しました。そして、それを言われたときに○○君の照れて嬉しそうな顔見て、またまた、高校教師の時代を思い出しました。「ものすご~くかわいい」、ダッコして撫で撫でしたくなる。そして、耳元で「変化球を投げなくてもいいんだよ。直球を投げれば、受けてあげるよ。」と言いたい気持ちが起こります。でも、我々の考えから言うと、それは我慢、我慢。私の見立てでは、まだ、クラス作りが完了していないように感じます。それ故、教師に対してのスタンスによって、クラス集団の中の、自分のポジションを定めているように思います。クラス作りが完了すれば、教師に対して虚勢を張る必要はありません。
このような講演が玉砕の場合、落ち込むのが通例ですが、何故かさわやかです。