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2006-07-12

[]いろいろ 09:21 いろいろ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - いろいろ - 西川純のメモ いろいろ - 西川純のメモ のブックマークコメント


 今月の28日、29日に新潟市学び合いの会を開きます。その会へ来ませんか、というお誘いをした方からレスを頂きました。非常に面白かったので、それに対する私のレスを以下にアップします。

『こんにちは上越教育大学西川です。メール有り難うございます。

> ○○中学校 ○○です。ご案内をいただき,ありがとうございました。是非,参加させて頂きます。

ありがとうございます。

> ○○市の中学校教育研修会では,テーマが「学び合い」となりました。ある中学校先生(同期です)が「学び合い」を取り入れた公開授業をしたいと願っています。 しかし,「西川先生のおっしゃる学び合いレベルが高いので,自分はもっと初歩の意見交換から・・・」と,なかなか「教師がさせる学び合い」的な考え方を脱却できないでいます。その方と,当校の若手,前任校の研究部を連れて行きたいと思います。

有り難うございます。人数把握のしたいので、出来るだけ早く、事務局にお申し込みを頂ければ幸いです。

さて、

おそらく、その方は「子どもにとってレベルが高い」と誤解されているのだと思います。しかし、実は、「自分にとってレベルが高い」というのが本当のように思います。○○さんは分かっていることですが、我々の学び合いは、簡単にできます。学び合いを導入したとたんに、子ども学び合います。

子どもにやらせようとして難しい場合は二つです。第一は、子どもの出来ないようなことをやらせる場合。第二は、子どもがやりたくないことをやらせる場合。ところが、我々の学び合いに必要な子どもの能力とは、休み時間に子どもがゴチャゴチャと相談している能力以上のものではありません。つまり、出来ることです。また、黙って先生の話をご拝聴しているより、みんなでワイワイと相談しながら勉強した方が楽しいのはあたりまえです。楽しくて出来ることをやらせるのに、特別な仕掛けなんていりません。例えば、焼き肉大好きの大学生を焼き肉屋に連れて行って、「焼き肉をいっぱい食べてもらうにはどうしたら良いんだろう・・」と悩むぐらい、馬鹿馬鹿しいことです。上記のことを理解することが教師にとって抵抗があるだけのことなんです。そんな話を、機会があったら、その方にお伝え下さい。

> 当校の若手は毎日私の授業を見に来ていますが,「どっちがいいんだろう・・・」と,悩み始めました。バスケットボール部活指導にかけている方で,「理科バスケとどっちをとるの?」と聞いたときに,迷わず「バスケです」と答えていた人です。良い兆候だと思っています。

あははははは

この部分を読んで、約1分弱、コンピュータの前で大笑いしました。禅に公案というものがありますよね。手をたたいた後で、どちらの手が鳴ったか、のような訳の分からん問題を出し、それに対して、これまた訳の分からん答えを出します。でも、問題を出した方は、その人が理解しているか、否かがハッキリ分かります。私は○○さんの授業を見たことは一度もありません。でも、○○さんが学び合いの出来る方であることは、上記でハッキリ分かります。学び合いが出来るか否かは、その人の知識・技能に依存しません。その人の考え方に依存します。だから、上記を読んだだけで分かります。

その方に、以下のことをお伝え下さい。我がゼミに、Kさんという院生さんがいらっしゃいます。その方は、教材の力、話術、カリスマ性、子どものあしらい方・・・どれをとっても超一流の方です。また、ご自身もそれに自信を持っている方です。その方が我がゼミ入りました。そして、「教材の力、話術、カリスマ性、子どものあしらい方・・」は、どうでもいい、という我がゼミ洗脳にかかったんです。今まで大事にしたものを捨てるには相当な苦労がいります。洗脳期間の後期に、私と議論しているとき、「先生、分かるんですが、辛いんですよ・・」とおっしゃっていたのが印象的です。迷いながらも、現場に戻って学び合いを実践しました。もともと、子どもの見取りが出来る方ですので、実際の学び合っている子どもの姿を見たとたんに、疑問が氷解しました。分かってから私と議論したときに、バスケットのことと絡めた話がありました。その方は、中学校バスケット全国大会に進出したバスケットチームの顧問をしたことがあります。その時は、殆ど指導をしませんでした。というのは、バスケット専門家ではなく、ただ、校内事情で担当しただけの顧問なんです。ところが、彼らはドンドン強くなっていきます。練習の際は、「すごいな~、すごいな~、なんでおまえらこんなことが出来るんだ~」と喜んでいただけなんだそうです。その時の自分と、学び合いの授業での自分が極めて似ているとおっしゃっていました。

○○さんの授業を見に来ている先生にお伝え下さい。バスケットの指導で得られること、出来ることは、授業で出来ることなんです。バスケット部のみならず、理科授業を部活にして、全国大会で優勝して下さい。とお伝え下さい。ちなみに、上記のKさんは今度の会に出席します。その先生とKさんが話すと面白いですよ。ちなみに、Kさんの今年のテーマは、若手教員に学び合いを伝えるというテーマです。なんと、1週間で出来ることを明らかにした人です。』