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2006-07-21

[]音楽美術 09:03 音楽・美術 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 音楽・美術 - 西川純のメモ 音楽・美術 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 本日は、博士課程の合同セミナーがありました。色々なコースの博士課程の方の発表を聞きました。正直言って、芸術系の博士課程の人の発表はつまらないと思っていました。だって、私は音楽美術は大嫌いでしたから。ところが、思いの外、というより、本当に面白かった。なぜ、音楽美術の人の発表が面白かったかと言えば、ちゃんと説明してくれたからです。

 音楽院生さんは伝統音楽学校教育に位置づける研究です。聞いていた、「なるほど日本の伝統的な音楽学校教育に位置づける必要がある」と思いました。そうなると、そのためにはどうしたらいいか、という話は俄然面白くなります。ところが、私の受けた音楽ではそんな話は全くありません。例えば、「春の海」のような琴の音楽鑑賞を学校でさせられました。ところが、なぜ、それを聞かねばならないかの説明を受けた記憶はありません。もしかしたら、音楽先生は説明したのかもしれませんが、私の記憶に残らない程度の説明なのだと思います。結局、訳も分からず、「ありがた~く」聞くしかありません。それは、私の受けた音楽教育に一貫したものです。「何故、ヘ音記号を理解しなければならいのか?」、「何故、縦笛を吹けなければならないのか?」等々、音楽で受けた授業の全部が私には不明です。そして、やらねばならない実技や鑑賞だけがあるだけです。おそらく、何故、音楽を学ばなければならないかは、かろうじて社会科の一部にあるぐらいなのではないでしょうか?別な院生さんは、「竹とんぼ」作りの実践を発表していました。子どもたちが自主的に活動し、教師を超えることをやり始めました。これは、「遠くに飛ばそう」という子ども自身が判断できる明確な目標を与えたからです。まさに、我々の主張していることです。

 我々は教師は学ぶ意味を分からせるのが仕事だと主張しています。そして、何をやるかは子どもが考えるべきだと主張しています。ところが、音楽美術の殆どは、「何故」はほとんど無く、「何を」ばかりの授業ばかりです。我々にとって、未開拓の領域が大きいと思います。そして、音楽美術先生が我がゼミに来てくれれば、と思いました。