■ [ゼミ]ワクワク
学卒の修士1年のHは研究テーマに悩んでいました。そこで、いつも通りに「お前の課題を解決するために、来週までに何をしたらいいと思う?」と質問しました。その結果、実践のビデオを徹底的に見る課題を課しました。そこで、「どれぐらい、ビデオ見るの?」と聞きました。Hは見当がつかないと言いました。そこで、「1日24時間で、寝る時間を引いたら16時間だ。16時間×7で約100時間ぐらいある。従って、1時間のビデオを寝る以外、ずっと見続けたなら100本見られる。しかし、こりゃ無理だよね?でも、1本だけだと足りないよね?つまり、お前は1~100の数を選べば良いんだよ。無限の数から選ぶよりは、すんごく、簡単だよね。」と言いました。Hは50本と言いました。思わず、息をのみ、そして笑い出しました。西川研究室のOBの方だったら、1週間で50本の実践ビデオを見るということが、どんなことであるかは分かりますよね。まさに「目くら蛇に怖じず」です。ゲタゲタ笑いながら、「何で、50本なの?」と聞いたら、「1から100の真ん中だから」だそうです。これまた大笑いしました。
Hはそれ以来、ずっとスタジオにこもってビデオを見続けました。きっと、自分のいった「50本」という言葉を呪いながら。1週間後にゼミをしました。そして、「何本見たの?」と笑いながら聞きました。なんと50本に少し欠ける程度でした。これにはビックリしました。さすが若さは凄いと思います。私は15本も見れたら褒めてやろうと思っていましたが、その3倍をこなしました。「それだったら、今日寝ずに見れば50本見れたのに」と憎まれ口をいいますと、「さすがに、限界でした」とのことです。
さて、それによって何を得たかを聞きました。それによると、学び合いをしている我々の実践ビデオを見ていると、「ワクワク」するそうです。子どもたちが、どんなことをするのかワクワクするそうです。ところが、平常の授業を見ていると、つまらないそうです。そして、自分は今まで、こんなつまらない授業を受け続けていたことにビックリしたそうです。
50本弱のビデオを見ただけのことを得たようです。