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2006-10-10

競争社会 18:54 競争社会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 競争社会 - 西川純のメモ 競争社会 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 Kinさんのブログを読みながら、思ったことです。私は現状においては、「制度上、機会の均等だけを保障し、後は本人の努力次第で「勝ち組・負け組」の単純な「競争社会」」を選択します。なぜか・・

 消費税が導入された時、それが適性に運営されるか否かという疑義はさておきます。私が気になるのは、消費税を導入されたらという質問に対しての、「低・中所得者」の反応が気になります。それらの方々は、断固反対です。そして、福祉の財源は高所得者が負うべきだと考えているようです。つまり、自分たちは大変なんだから、自分たちより大変な人の面倒は、自分たちより豊かな人の分担でやれという考え方です。馬鹿げています。日本のような富の配分がされている国において、上記のような政策は取り得ません。さらに言えば、「自分たちではなく、別の人の負担で」という考え方が問題です。本当は、所得が低い人ほど、自らも負担することによって得ることが大きいのに・・

 同じようなことが大学でもありました。大学のかつてのシステムは、理系文系実験系・非実験系が厳然として分かれていました。そして、それは施設の配分にも現れています。 しかし、現在は制度的には文系文系実験系・非実験系はありません。最近、施設を再配分する会議がありました。現在、施設を多く持っている部局からの大反発があると予想していました。ところが、それがありません。ビックリしました。大学のために、再配分が必要であることを理解していました。ところが、意外なことに反発したのは、殆ど施設を持っていない部局でした。自分たちが持っている、僅かな権益を守るために反対するんです。正直、ビックリしました。そのような部局こそが、自らの権益を放棄することによって、放棄する以上の権益を得るのにもかかわらず、それが分かっていません。まさに、日本の縮図だと思いました。

 私もKinさんと同じように思います。しかし、それが実現することに悲観的です。フランス革命記念日フランス人、また、独立記念日アメリカ人映像を見ていると涙がボロボロ流れます。欧米各国は、自由と民主主義を勝ち取るために、血を流した。そして、それを誇りとしています。我々は戦争に負けることによって自由と民主主義を得ました。血は流れましたが、自由と民主主義を得るために流した血ではありません。自由と民主主義には代償が必要だと言うことを認識し、それを誇りとしている国とは思えません。自由の民主主義の果実は当然の権利と主張する一方、それを得るための義務を拒否します。でも、それを理解するために、血の代償を払うべきとは思いません。結局、日本独自の先延ばしでしのぐしかありません。案外、それが有効なんです。でも、時間がかかります。とりあえずは、競争社会で痛みを感じなければ、先に進まないように思います。であれば、公平な競争保証することが大事だと思っています。それ故、「制度上、機会の均等だけを保障し、後は本人の努力次第で「勝ち組・負け組」の単純な「競争社会」」を次善の策として選択します。もし、日本社会低所得者層(中の下も含む)も消費税を賛成する側に入り、自分たちを例外にすべきだと主張しないようになったなら、上記は取り下げます。まあ、 しばらくは無理でしょうけど・・・。でも、それさえ出来れば、日本には欧米にはない素晴らしものがある。そうすれば、日本独自の福祉の姿が見えるのに、と思います。