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2006-11-09

[]やっぱりライブ 18:05 やっぱりライブ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - やっぱりライブ - 西川純のメモ やっぱりライブ - 西川純のメモ のブックマークコメント


 埼玉のS先生の授業に行きました。やっぱりライブは凄いと思いました。私が偉そうに言っている「学び合い」を優れた教師が料理すると、こうなるか、とうことがよく分かります。学校として学び合いを取り入れようとしている、G県のY小学校東京都M市のN小学校、そして東京の私立のJ学園の3つの学校に声をかけたところ、参観に参加してくれました。

 授業を見ました。おそらく標準の授業に見慣れている先生にとっては、学級崩壊クラスでしょう。でも、一度、子どもたちの声に耳を傾けると、大学生と見まがう高度な話題を、一時間とぎれずにしている子どもであることに気づきます。その子どもが、自分たちにあった学習方法を多様に選択しています。それでいて、実に落ち着いています。自分たちの学び合いの文化を、空気のように感じていることがよく分かります。その集団の中で一番幸せそうなのがS先生です。子どもたちの間をニコニコして回ります。子どもたちの脇に座り、子どもたちの会話に耳を澄ませ、何かしらメモをしています。でも、そのようなことを気にする子どもはいません。彼らは自分たちの課題に集中しているからです。ときに、子どもたちに質問し、からかい、驚きながら、そして、なによりも幸せそうに教師をしているS先生がいます。ちなみに、S先生が授業中にクラス全員に語った時間は、総計で1分もないと思います。

 授業後、参観者からS先生に質問が来ました。率直な質問ばかりです。それに対して、S先生やKinさん(それとしゃべりたがりの私も)が説明してくれました。参観者は分かってくれたと思います。ある先生から以下のようなメールを頂きました。

 『昨日は本当に良い勉強になりました。子供が学ぶ姿が見られてうれしい思いがしました。何であんな普通のことがなかなか出来ないんだろう、と不思議です。あの姿をテレビで放送してくれたら、ワッと火がつくでしょうね。そんな話は無いのですか。ノーマルなことが少なくなっているのかもしれません。ノーマルな(子供の姿が)授業でした。』

追伸 私にとっては笑い話です。上記のような授業をしているS先生から、帰る間際に「私は学び合いができているのでしょうか?」と小声で聞かれたとき、思わず笑ってしまいました。学び合いが何かの流派のように、私の専有物のように誤解されているようです。学び合い西川研究室の専有物ではありません。百年前からやっている人はいたと思います。したがって、学び合いを出来ているかを判断するのは私ではなく、子どもたちであり、ご本人です。学び合いが成立していれば、全ての子が仲間となり、成績が上がります。そして、教師が幸せになります。学び合いを理解し、それを一人でも多くの方に伝えようと言う人は、それはどんな年齢であっても、どんな地位であっても、どんなに距離が離れていても、同志です!

追伸2 11月15日に次の本が出ます。そして11月中に関係者一同のご協力の結果、授業の様子をHP配信出来ると思います。乞うご期待。

追伸3 今回は授業をオープンにせず、少数の方にニュースを流しましたが、もっと広く見て頂く仕組みを考えねばと思いました。