■ [怒り]怒(その3)
最近、校長に会うと、等しく「大変だ~」と言います。お上からのイジメ対策に追われています。でも、その対策って意味あるでしょうか?例えば、イジメアンケートなんて、殆ど意味ないと思っています。
例えば、「あなたのクラスにイジメはあるでしょうか?」とアンケートします。たしかに、それで発見する場合もあるでしょう。でも、「イジメはありません」と子どもたちが回答したら、安心していいのでしょうか?先のメモと同じで、子どもたちの中にある「イジメ」の定義は何でしょうか?もし、「自殺者が生じる段階」というレベルだったら、大抵のクラスは「問題なし」という結果になってしまいます。
もし、教師がきめ細かにクラスの実態を知ろうとして一人ひとりに聞き取り調査をしたらどうでしょうか?アンケートよりはかなり的確に把握することは可能です。でも、私は薦めません。だって、イジメる子が誰で、どんなことをしているか、を知ってしまえば、その子を「悪い子」と思うし、嫌いなるのが人情です。イジメ問題は構造的なものであることを知っている私だって、そう思います。そんな気持ちであることは、子どもにすぐに分かります。そんな人の言葉に耳を傾けるでしょうか?クラスの問題を解決できるのは子どもたちです。教師が出来るのは、子どもたちに目標を与え、解決できる場を提供することです。細かなことを知っていいことなんて余りありません。
さらに、アンケートをした後の処理です。イジメがあることが分かったら、どのような処理をするのでしょうか。全校集会で「イジメはやめよう」と校長が語るべきなのでしょうか?まあ、それぐらい程度のこと以上は考えていないようです。でも、イジメが悪いことは子どもだって分かっています。その子に「イジメはやめよう」と 言うことの効果は、タバコを吸っている人に「タバコは健康に悪いから、やめよう」と言うこと以上の効果はないと思います。タバコを吸っている人は、そんなことは十分分かって吸っているんですから。
では、どうするか。実は、そのクラスにイジメがあろうと、なかろうと、同じ対応をすべきなんです。それは、学校とは何を学び取るところかをはっきりと語り、その自分が語ったことと矛盾のない教科指導をすればいいんです。
私は力がないから、それを広く伝えられない。自分に「怒」。