■ [怒り]コスト意識
日本の国立大学の全職員の人件費は約1兆円です。それでは勤務1日あたりのコストはどれだけでしょうか?1年365日で週休2日ですから、年間の勤務日は約250日となります。従って、1日40億円のコストがかかります。
本日、本学ではセンター入試の説明会がありました。3部構成で半日を費やします。それを年明けにもう一度半日を費やします。それに、教職員・事務職員の殆ど全員が参加し、拘束されます。その説明の殆どは、英語のリスニングテストに関しての説明です。さて、そのリスニングテストを昨年担当し、受験生と同様に聞いた人によれば、殆ど中学校レベルで大学入試に課す必然性が無いとのことでした。
リスニングをセンター入試にいれようと考えた人は善意の人です。しかし、コスト意識は無いと思います。親方日の丸だからやれることです。民間では絶対に出来ないし、やらない。国立大学法人になっても、コスト意識は無いようです。
国民だって、このような無駄を許すべきではない。でも、あまり関心はない。何故なら、国立大学に対して国民は厳しい評価をしていない。例えば、教員養成系大学だったら、教員採用率や教員再教育の実績によって予算を劇的に変えるぐらいの評価をすべきだ。何故なら、教員養成系大学の目的は、まさに、それだから。教員採用率や教員再教育の実績で、その大学の職員の給与が変わるならば、大学側だって考えるだろう。1日という時間が、自分の給与に影響を与えるとしたら、真面目に「リスニングは必要か」と考え始める。国民だって、リスニングテストを実施するより、250分の1だけでも「良い先生」が増える方が得るものが多いはずだ。すくなくとも私は、私がセンター入試で担当する数十人の若人にリスニングテストを課すことによって国民に還元しうる貢献の遙かに大きなものを、教員養成・教員再教育で貢献できる自負はあります。