■ [大事なこと]自慢の補足
『学び合い』が成立しているクラスでは「先生、凄いでしょ!」と自慢します。ところが、普通のクラスでは「先生、これでいい?」と聞きます。この違いは何に由来すると思います?
それは、教師が何を目指しているかをちゃんと語っているか、いないかの違いです。ちゃんと語れば、自分が課題を達成しているか、していないかは学習者がはっきり分かります。だから、自信を持って自慢できます。
一方、普通のクラスでは、教師は最終的に何を目指しているかは語りません。大抵は、その時間の課題をぶつ切りにして、小出しに与えることをします。したがって、ぶつ切りにした、その課題のことは分かっても、その先に何があるのかが分からないので、自分が達成したことが本当に良いのか悪いのかが分からないのです。さらに言えば、ぶつ切りにした結果、それを全部出来ても、最終的な課題を達成しないということが、大抵、起こります。
校長が職員に文化祭に関して目標の与え方を例にして説明しましょう。想像してください。
『学び合い』の管理職の場合だったら、「子どもたち、保護者のいずれもが一生記憶に残る文化祭を実現してください。期待しています!」です。そして、文化祭当日まで何も指示をせず、ただ「期待していますよ!」、「皆さんのやりたいようにやってください、責任は私が取ります」と語るでしょう。この目標は漠然としているようですが、これってはっきり自己評価できます。だって、教師だったら自分の心に問いかければ、今年の文化祭は上記に達しているかどうか分かります。だって、だって、自分がどれだけ感激の涙を流せたかで分かるでしょ。
一方、普通の授業的な管理をする校長の場合だったら、毎日毎日細かな指示を与え、毎日毎日、校長室に呼びつけてチェックします。
さて、どちらの校長の学校で勤めたいですか?そして、それぞれの校長の学校での職員はどう動くでしょうか?実は、子どもたちの行動とまったく同じです。20歳、30歳、40歳、50歳の人の行動と、10歳の子どもの行動に差はありません。