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2007-05-16

[]何故 20:24 何故 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 何故 - 西川純のメモ 何故 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近はレンタルで見る映画の幅が大幅に減りました。いろいろ借りても、結局SFとアニメものが多いです。それを自己分析しました。

 結果として、子どもが家庭という基盤を失い、不幸になることは、とても耐え切れないからだということです。以前から自覚していました、はっきりました。

 スタートレックシリーズを見ますが、何故、それを見ているかというと子どもが基本的に出ないからです。だって、宇宙戦艦の話なのですから大人が中心です。アニメの場合は、子どもは基本的に不幸になりません(最近ではブレイブストーリーが例外)。人情ものが好きなのですが、その過程で子どもが苦しむのは絶対にやです。最後はハッピーエンドになっても、それまで見続ける自信はありません。

 最近ではUDONとクライマズーハイ(途中、ちょっと辛かった)がよかった。

[]鏡 20:03 鏡 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 鏡 - 西川純のメモ 鏡 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日の理想の校長を補足します。それを書き終わってから、自戒すべきと思いました。

 旧知の尊敬すべき教師と会ったときの思い出話です。その方といろいろな職場での体験を聞きました。驚き、かつ、納得したのは、己のためという目的が鮮明な上司の下にいた、その方は、その方でさえ自己を守るのに精一杯立ったそうです。

 わがゼミの人たちに私の自戒を可視化します。もし、西川研究室が自分のことで精一杯で、集団を高めようという気持ちが少なくなっていたら、それは、皆さんが悪いのではありません。その場合は、私がエゴイスティックになっており、小役人になっていることを示しています。

 同志の方へ。わがゼミ生を、出来るだけ皆さんにさらす努力をいたします。もし、上記の兆候があれば、私をしかってください。私はエゴイストです、小役人です。でも、それ以上を望む志はあります(ありたいと願っています)。天狗にならぬよう、可視化します。

[]科学的とは 15:38 科学的とは - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 科学的とは - 西川純のメモ 科学的とは - 西川純のメモ のブックマークコメント

 院生さんたちとのバカ話の一つです。

 「明日の天気を分かる」という目標理科天気をする場合があります。その場合、「インターネットで調べる」という意見子どもから出たら、どうすべきなのでしょうか?私は極めて科学的な反応で褒めるべきです。だって、限られた情報を元に、論理的に結論を引き出すのが科学ですから。義務教育子どもが気圧配置をもとに推論するよりも、蓋然性が高い結論が得られるのは理の当然です。

 そんな受け売りは駄目だ、といわれる方がいるでしょう。でも、その方に問いたいのは、「じゃあ、あんた、どれほど、天気予報理論的根拠を知っているの?」と聞きたい。1+1は2だということを知っている人に、何故、2なのかを質問して答えられる人がどれだけいるでしょうか?私はこの手の話をしたとき「ペアノの公理」を知っている人は、今まで皆無でした。結局、どんな科学的議論にせよ、どこかは受け売りしているんです。

 では、どうしたらいいか?「天気予報は何故出来るのかを理解する」ならば、インターネットで調べるという応えは子どもから生じないはずです。

[]理想の校長 15:38 理想の校長 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 理想の校長 - 西川純のメモ 理想の校長 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以前のメモで理想の校長管理職)のことを書きました。そこで書いたことは正しいと思います。しかし、最近、相次いで、尊敬すべき校長と会って、究極は何かを考えました。

 究極には、その組織目標としていることを、本気で大事だと思うこと、だと思います。校長で言えば、「子どもを立派な大人に育てたい」と本気で願うことだと思います。それさえあれば、最低限は満たされます。

 一方、「最後は地区の中心校の校長退職したい」とか、「教育委員会や職員や親と喧嘩せずに穏やかにすごしたい」のような自身のエゴや小役人根性では駄目です。すぐにばれます。管理者の鏡である部下は、エゴイスティックになったり、小役人になってしまいます。

[]理想と現実 15:38 理想と現実 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 理想と現実 - 西川純のメモ 理想と現実 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以下で書くことは大学人以外にとっては、いや、私以外の方には、まったく興味を持たせられないことのように思います。

 ある尊敬すべき大学教師の方と議論しました。内容は大学対してのお上の政策に関するものです。その先生は本当にすばらしい先生なのですが、三つの視点が欠けていると感じました。

 その先生の欠けている第一の視点は政策の裏には予算が必ず関係しているということを意識されていない点です。法律はもちろんのこと、省令、通達の1行の内容は、数億、数十億、数百億の予算が関わっています。政策を理念で議論することも必要ですが、この政策の実施によって、どれだけの予算がかかり、逆に言えば、どれだけの予算を削減できるかという次元で分析する必要があります。

 指導要領の改訂により、教える内容が大幅に削減されました。そのことを教科専門の先生は憤慨されました。そして「必ずゆり戻しがある」と断言されました。しかし、指導要領の改訂の背景には、総合的な学習の時間の導入や、週休2日制があり、それには予算が関わっています。例えば、もし土曜日に授業したら、どれだけの人件費がかかるでしょう?従って、「必ずゆり戻しがある」という断言に対して、そんなことは起こらないと私は断言しました。

 小学校における教科担任制、免許プログラム等はバラバラに見えますが、予算の面から見れば、明らかに一定の方針があると私には見えてなりません。その先にあるものが実現されたならば、「兆」のレベル予算の削減が可能です。その先生とは、お上の「ある政策」を議論しました。その先生はその政策は数年で命脈が絶たれると確信されています。しかし、私はそんなことは絶対にないと思います。なぜなら、その政策の裏には予算が関わっているからです。教員養成系大学に籍を置く私個人としては、お上のその方針は残念に思います。が、同時に、その「兆」のお金で救われる多くの人がいることも理解しています。その中には、老後を控えた私も含まれています。

 その先生が欠けている第二の視点は、理想と現実を埋める具体案の必要性・緊急性です。その方の語られる「美しい大学のあり方」は、私もまったく同感です。そして、その方も現状の大学がそのあり方から大きく外れていることを同意しています。そこまでは私とまったく同じです。そこから先が違います。その方の場合は、「美しい大学のあり方に向けてみんな努力しましょう」というレベルで止まっています。そして、時間をかけて改善すればよく、失敗もありえると考えています。ところが、私の場合は、時間をかけて改善する予算的な余裕は無く、失敗は許されないと考えています。

 その結果として、その先生の場合は『「美しいい大学のあり方」とは大きくは外れているが、とりあえずは「美しい大学のあり方」を本来あると仮定した大学の制度を出発点とする』という立場です。私は『といあえずは、お上のお達しに従って、相手のルールの中で「美しい大学」にしよう』とします。前者でやれば、おそらく美しいかもしれませんが、玉砕するでしょ。だから、宮仕えの人は、私のような戦略をとるはずです。我々大学教師も宮仕えの身なのですが、お分かりにならない方が多いように思います。やわらかく、したたかに、それが宮仕えのみの戦略です。玉砕しては、その人の下の人が迷惑をこうむる。

 つまり欠けている三つ目は、自身がどんな組織に所属し、だれから給料をもらっており、どのような権限を誰が握っているか、そして、その状況でどのように身の振り方を考えるという宮仕えの視点です。

 その先生は本当にすばらしい教師であり、研究者であるので、とても残念です。しかし、ここまで書いて気づきました。そのような方が大学にいることが、大学の美しさを守る必須用件です。そのような方を絶滅させぬよう、宮仕えの私は、やわらかく、したたかに、なりたいと思います。