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2007-05-17

[]発見 22:27 発見 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 発見 - 西川純のメモ 発見 - 西川純のメモ のブックマークコメント

グエムル~漢河の怪物」と「チョンマッコルへようこそ」を見た。後者怪獣映画としては、今までにない映画だった。凄い秘密兵器があるわけではなく、家族の愛が主題の映画だ、面白かった。後者は、予告編で予想される通りの展開である。悪い映画ではないが、あまりにも予想通りなので、途中で飽きてしまった。しかし、見ながら気づきました。そこに描かれている米軍は、日本映画では絶対にあり得ない米軍です。

映画を見ながら、「あ~、韓国の人は米軍を嫌いなんだな~」と思います。「あ~、韓国の人にとって米軍占領軍で「お上」なんだ~」と気づきました。ただし、米軍は完全な悪者というわけではなく、基本的に善意を持ってくれているのだけど、細かいところまで配慮がない」というように感じます。きっと、占領統治下の日本に、表現の自由占領軍が与えたら、あんな映画を作っただろうと、勝手に思いました。

[]出張 22:27 出張 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 出張 - 西川純のメモ 出張 - 西川純のメモ のブックマークコメント

先週の水曜日からの出張つづきがひとまず、終わります。9日は文部科学省。10~12日は大阪出張。14~15日は群馬出張。16~17日は大阪出張。一つ一つは、意味深く、楽しかった。でも、家に帰るとホッとします。

[]宿題 22:27 宿題 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 宿題 - 西川純のメモ 宿題 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 宿題は厳しいでしょうか?いや楽です。

西川研究室ゼミ生、OBだったら分かると思います。「これこれのことをこれこれまでにやりなさい」というのは非常に楽です。だって、とりあえず、それをすれば「安心」出来ますから。でも、「あなたのために何をすべきか?考えなさい。期待しているよ」が私の言い続けている言葉です。そして、それすらも無くなり、2週間、いや1ヶ月以上に1回程度、「どう?」と聞いて、「期待しているよ」で閉めるのが私のスタンスです。本当はそれが一番厳しく、そして、一番、自分に尻を叩いたはずです。

 子ども達に「宿題」を与えるなんて、柔なことはやめましょう。「期待しているよ」でもっともっと厳しく鍛えましょう!彼らはもっと、もっと凄いことをやらかします。「宿題」なんて柔なことをしなくても、もっと凄いことをやらかす子どもを育てましょう。

[]その先 07:10 その先 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - その先 - 西川純のメモ その先 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 現在、平行して何人もの方が『学び合い』に取り組み始めておられます。面白いことに、それらの方々は、多様な教員研修団体に所属されておられます。そして、一方の旗頭となれる実力のある方々です。

 ですので、安心してサポートできます。何度も書きましたが、『学び合い』は簡単で、誰でも出来ます。が、実力のある教員の方が、早く、安全に出来ます。理由は以下のとおりです。

1)教師が『学び合い』をしよう、また、「みんな全員で高まろう」という目標を与えたとき、「あの先生が言うだから、やろう」と動く子どもの割合が高いからです。つまり、6割の子どもが乗り気じゃない4割の子どもを説得するより、9割の子どもが乗り気じゃない1割の子どもを説得するより、楽で早いのは理の当然です。

2)いわゆる「授業のうまい教師」は共感能力が高い。そして、自分の気持ちをうまく表現できます。これは、『学び合い』において教師がやるべき評価に有効です。子どもたちがすばらしいことをしたとき、五体全てからオーラのように喜びを発します。これは子どもにとって、すばらしい評価です。ただし、これは必須ではありません。なぜなら、どんな教師も感激するようなことを、子どもやらかしますから。でも、あるほうが良いことは確かです。

3)上記に関わることですが、実力のある教師は客あしらい、子どもあしらいがうまい。ニコニコしてからかわれるとしても、要所で、びしっとやるところはやる。そのあたりは大事です。

 以上のことは、いずれも生まれつきの感性に由来したり、数十年の経験で培われたものです。そのため、ちょこっとした研修ではどうにかなるというものではありません。付け焼刃のテクニックで何とかしようとしても、子どもにすぐに見破られます。

 が、同時に、上記はホモサピエンスDNAの中に十分に組み込まれています。『学び合い』をやるには十分な資質があるはずです。従って五十歩、五十二歩の違いに過ぎません。が、2歩でも多いほうがいいのは理の当然です。

 さて、そのような方々から、子どもの素晴らしさの自慢メールをいただいております。そして、そのような見取りが出来ることの喜びが書かれています。まさにセオリーとおりです。世に言われる「指導と評価の一体化」がお題目ではなく、実現した姿を体感できます。

 今は、剣道守破離の「守」の段階ですが、しばらくすると破り、離れる段階に進むはずです。ワクワクします。大事なのは、「子どもたちは有能である」と確信し、「学校教育は何を目指しているかということを心に問いながら、日々の教科指導において、それを具現化する」ことさえ出来るならば『学び合い』です。

 さて、多くの同志がこの段階に達しています。でも、その先があるように思います。経営学教育経営学学校経営学ではありません)の泰斗であるドラッカーは非営利団体(つまり学校)でも経営的な視点が必要だと指摘しています。

 教師にはクラスにおいて『学び合い』を成立させる先に、教師同士の『学び合い』を成立させ、学校内の『学び合い』を成立させることが必要です。そのことによって、自分のクラス子どもたち、未来クラス子どもたち、そして卒業させた子どもたちに、多くのものを与えることが出来ます。

 そして、そのためには予算獲得とボランティアの獲得が必要なんです。そのためには経営的な視点が必要です。

 ゼミ生、OBはご存知のとおり、私は夏休み以降は殆ど指導はしません。何をやっているかといえば、昼休みに一緒にご飯を食べたり、お茶室でバカ話をすることのみです。では、何をしているかといえば、現メンバーが十分な研究が出来るよう予算を獲得しています。そして、未来メンバーに十分な環境が整えられるように、5年、10年のスパン政治闘争をしています。

 では、義務教育先生方は何をやれるか?実は、校内の政治闘争をやるべきだと思います。もちろん、大学のように血みどろにやる必要はありません。おだやかに、かつ、したたかにやるべきです。また、予算獲得をするべきです。『学び合い』が成立すれば、授業時間の多くの時間は教師は自由になります。それによって子どもを見取ることも出来ます。でも、その時間、教師の机に座って書類を書くことが出来ます。

 世の中には、教育の活動に対して助成をしてくれる団体が山ほどあります。数万円のレベルの助成ばかりではなく、数十万円の助成もあります。もし、学校レベル組織が出来るならば、数百万円の助成もあります。その書類を書く余裕が出来ます。考えてください。そのような書類を書ける余裕がある教員が日本にどれだけいるでしょうか?『学び合い』を実現した教員は、その数少ない教員の中に含まれています。ということで、「あたる」可能性が高い。5本ぐらいだせば、1本ぐらいは「あたる」はずです。

 同志各位へ。助成に応募してください。そして、子どもたちの「もっと、もっと」という願いに応えてください。