■ [大事なこと]反抗/交渉

『学び合い』が高い段階に進んだか、否かの試金石がいろいろあります。最初の語りをちゃんと語れば、すぐにクラスの7割、8割の子どもは『学び合い』ます。これが高い段階に進むと、「クラスの最低点が上昇する」、「けんかなくなる」、「不登校の子どもがいなくなる」、「特別支援の子がクラスの中に入り、目立たなくなる」となります。しかし、それと同時に、「教師に依存しなくなる」、「教師に正当な交渉をする」というものが生じます。「教師に依存しなくなる」というのは、授業のうまい教師にとっては寂しいものがあります。しかし、しばらくすると『学び合い』における教師としての喜びを知ります(最近アップした佐藤準一先生の授業記録をお読みください。それに、右下の同志のブログをお読みください。)。問題なのは「教師に正当な交渉をする」ということです。子どもたちが、「みんなで課題を達成するためには、これこれを認めてほしい」という要求は、正当な交渉です。だって、その時間の課題達成は成り立つための交渉なんですから、「勉強したくないから、お休みにしてほしい」とは違います。
いつもながら、職員室に置き換えます。
ある校長は「みなさんで、保護者に応援される学校にしましょう」といつも言っています。そこで、職員がいろいろ相談して、「校長、これこれをしたら保護者から応援される学校になると思います」と提案したら、「そんなことは校長が考えればいいことです」と怒りだしたら、どう思います。そして、その校長が「うちの職員は生意気でね~」と他校の校長に愚痴っていたら・・
ある校長は「みなさんで、保護者に応援される学校にしましょう」といつも言っています。そこで、職員がいろいろ相談して、「校長、これこれをしたら保護者に応援される学校になると思います」と提案したら、「そうですか。それで保護者の方から応援されるんですね。分かりました。どうぞ、そうやってください」と言います。その校長は、「みなさんを信じています。ところで、保護者からどんな応援をされましたか?教えてくださいね」とニコニコしています。そして、その校長は「うちの職員はすごいんですよ~」と他校の校長に自慢していたら・・
子どもたちの「こうしたらいい」を反抗ととらえるか、交渉ととらえるかは、その人の鼎の軽重が問われます。一度拒否すれば、黙ります。しかし、子どもの腹の中でオリがたまります。しかし、それを受け入れ、喜び、しかし、結果を厳しく求めれば、子どもはすごいことをやります。
http://blog.abetaka.jp/?day=20070928
を読みながら、そう思いました。
■ [大事なこと]対応

大学で教えたことのある、ある先生から相談メールが来ました。内容は、「あいつむかつく」という手紙があり、その子が発見したそうです。もちろん、犯人捜しをしてもしょうがないことはお分かりのようですが、では、どうしたらいいか分からず、相談してきました。私の返信は以下の通りです。
『さて、『学び合い』の基本原則は、個々の問題を解決するのは子どもたちで、そのような、子どもたちを作るのが教師の仕事です。
おそらく、●●は、今、この問題を解決しようと思っているでしょ?
どうするか
改めて、何のために学校に来ているかを語ります。
そして、本日、何があったかを詳細に語ります。
そして、どうしたらいいか考えなさい、と語ります。
もしかしたら、いい解決策を出せないかもしれません。
でも、子どもたちには安易な教師の解決策より、深く、心に刻まれるはずです。
少なくとも「どうしたらいいか考えなさい」といった後の、しーんとした沈黙の時間は、教師の長々とした説教より、手紙を書いたその子の心に響くはずです。
ただし、その子が悪いと考えてはいけませんよ、そして、そのように語ってはいけません。すべては関係の中で決まります』