お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2007-10-03

[]天狗 18:41 天狗 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 天狗 - 西川純のメモ 天狗 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日の「喜びの三段跳び」とは違う学校で、最近、サポートしている先生と一週間ぶりに合いました。色々な話をしました。終わり頃に、思い出したように、「この前のテストで平均点が19点上がりました」と報告がありました。さらに「○○が◎点、○○が●点」と報告がありました。一緒に話し合っていた校長先生は、その子たちをよくご存じなので「オーーー」と本気で驚かれていました。私の方は、鼻の前に両手のグーを重ねて(つまり天狗の真似をして)、「と~ぜんですよ~」とニコッと笑い、お二人の「笑い」を取りました。よかった、よかった。

[]デメリット 18:24 デメリット - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - デメリット - 西川純のメモ デメリット - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この前の地元での講演会での、無記名の感想を見せて頂きました。ビックリしました。『学び合い』に対する明確な反感を書かれる方は1%程度です。また、ベタ褒めの記述を書いていない方(例えば何も書いていない空欄の方)をそれに含めても5%もありません。薄気味悪いほどの結果です。無記名なので、遠慮は無かったと思うのですが・・。まあ、年を取ってからは、人様からの「お褒めの言葉」は、素直に喜ぼうと思います。

 さて、その感想に、「メリットばかりではなく、学び合いデメリットも語るべきだ」とのご意見がありました。これには参ってしまいました。従来型の一斉指導と比べて、『学び合い』デメリットを思い浮かべることは、私は出来ません。強いていえば、一斉学習の中で抑圧されて見えづらかったものが見えやすくなることはあります。しかし、そこに表れる問題は、『学び合い』によって生じたものではなく、一斉学習の時にもあったものです。

 同志各位へ、教えてください。一斉指導と『学び合い』を比べて、『学び合い』デメリットってあります?私は降参です。

追申 ただし、『学び合い』もどきのデメリットではありません。あくまでも『学び合い』デメリットです。また、あくまでも普通学校教育での状況下です。一方、これこれの場合は、絶対に『学び合い』にはならない状況はOKです(ただし、手引き書に書いた3つ以外の条件)。

[]不安 08:04 不安 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 不安 - 西川純のメモ 不安 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この数日、関西のある同志の方よりメールを多数頂きました。内容は、『学び合い』で点数を取れるかということです。その方は、力のある教師です。ですので、万に一つの間違いはないし、『学び合い』の成果をごくごく短期間に享受できることに関しては、不安はありません。しかし、その方でさえ、不安になることに、失礼ながら新鮮に感じました。

 私は様々な方から「○○は大丈夫でしょうか?」と『学び合い』に関する不安を問われます。ところが0.1秒のかからず「大丈夫です」と応えます。あまりにも自信たっぷりなので、厚顔に見えると思います。しかし、私にとっては「1+1は2になるでしょうか?」と聞かれるぐらい、当たり前のことを聞かれているように感じてしまいます。でも、そうなっているのは、成功経験が多いからだと思います。

 私は、今、キーボードを打っています。それを始める際、打っている最中に「キーボードを打てるだろうか・・」と不安になりません。私は日常の会話とほぼ同じ速度でキーボードを打てます。かなりの技術だと思います。しかし、それが失敗することを不安に思いません。だって、大学院1年の時から四分の1世紀以上、成功しつつけているからだと思います。『学び合い』に関しても、そうです、成功し続けているので、失敗するということを予想することが困難になってしまっているのだと思います。もちろん、私も自分の実践の場である、西川研究室において『学び合い』を失敗することがあります。しかし、今までの成功経験があるので、その失敗の原因を『学び合い』とは考えません。私の心にあると解釈し、改善します。そうすると、直ぐに正しい方向に進みます。

 ゲシュタルト心理学にルービンの壺というものがあります。最初は壺にしか見えないのですが、一度、二人の人間が向き合っている図と見えるようになると、そうとしか見えなくなります。そして、そう見えないのが不思議になってしまいます。『学び合い』もある一線を越えれば、成功を保証する様々な子どもたちの姿が見えるようになります。そうすれば、不安が無くなってきます。

 おっと、言い忘れました。その方より、昨日の深夜にメールが来ました。それによれば64%の子どもが90点以上で、平均点は87点だそうです。先ずはホッとされたようです。しかし、90点以下の子どもがいることは問題だとして、「みんな」を強力に語ると書いてありました。次の段階の入口は超えたな~と思いました。よかった、よかった。