■ [ご案内]異学年
本日の「広がる・広がる」に補足があります。
6年と5年の担任である両先生と話し合っているうちに、異学年学習を勧めました。異なった学年が一緒に学ぶとすばらしいことが多いことは「忙しいを誰も言わない学校」(東洋館出版社)に紹介したとおりです。たとえば、上学年の中の目立たない子が、下学年と一緒にすると、いいとこを見せようと張り切ります。下学年で仲の悪い子が、異学年をすると関係が良くなります。そればかりではありません。二つの学年の教師同士が、互いのクラスをいっしょに見ながら議論できます。これほど授業力を向上できる研修はありません。これはYzさんの研究が示しているとおりです。さらに、二人クラスを合同すれば、実は、一人の先生で運営できます。つまり、これを進ませると、年休が取りやすくなります。
ただ、異学年をするとなるとカリキュラム・時間割を調整しなければならない、とお思いがちです。しかし、『学び合い』ではそんなこと無用です。単に、同じ部屋に入れて、それぞれの学年に対して、それぞれの担任が、それぞれの課題を与え「どうぞ」と言えばいいだけのことです。ことさら、異学年で学び合えなどと言う必要はありません。
両先生は、直ぐにでもやりたいということになりました。が、明日は私は会議と講義でその学校に行けません。こんな面白い試みををする最初の場面に立ち会えないのは残念です。ということで、来週にすることをお願いしました。あ、そうだ。こんな面白い学びの姿を見たい人、私にメールしてください。
何度も書いているとおり、『学び合い』はイベントではありません。どこかの研究授業のように、「その日」のために数週間前から調整する必要はありません。「その日」のために、別の学級で試しに実践する必要はありません。毎日、毎日の普通の姿です。ことさら教師が準備する必要はありません。ですので、見せることに関して『学び合い』の実践の方はウエルカムです。だって、繰り返しますが、普通の姿を、普通に見せるだけですから。ということで両先生はウエルカムです。それに、その学校の校長には何も言っていませんが、もちろんウエルカムと言うに決まっています。
面白いぞ、面白いぞ。この一緒にいるだけの異学年は、「忙しいを誰も言わない学校」にMさんの実践で紹介しています。でも、私自身もライブは初めてです。初めての子どもたちの様子、それ以上に、両先生の様子を見ることは楽しみです。ワクワク
■ [嬉しい]社会科
今、嬉しいメールが来ました。
『西川先生こんばんは。質問に答えていただきました、○○です。
今日は質問ではないので、お返事は結構です。
10月から『学び合い』にチャレンジしてみて、体育、算数(少人数)、総合、図工、と少しずつ教科を広げています。
今日は初めて社会に挑戦してみました。8時間後にテストということで投げかけました。
私自身は、社会で学び合いをさせたいと思っていましたが子ども達はどうかな~と思っていました。
でも「やった~」の声がでました。
そして初めてなのに、グループも今までにない組み合わせがあっという間にできました。一人でやる子もいます。
先生役を置いて追い読みをしたり、黒板にまとめたり、ノートにまとめたり。日本の歴史漫画のところに集まる子たち。国語辞典をかりにくる子。
漫画でまとめてもいいの?と(まさか無理だよね?)と聞いてきた子には「おもしろこと考えたね~。モチロンいいんだよ、どんなやり方でしても」
と、(みんなに聞こえるように)応えました。
「誰か~、講和条約って何?」と大声で聞く子がいると「クラスで揉め事が合った時にさ先生が間に入ってさ・・」「まぁまぁ・・・ってこと?」「じゃあ、ロシアと日本が喧嘩してアメリカが先生ってこと?」
という会話が始まりみんなもそれとなく聞いている、という場面がみられたり。
とっても幸せな気持ちで子ども達の様子を眺めていることができました。
マットの発表の時にも、1学期にはクラスメイトから「ダーク4」なんていわれていた4人組みも、一生懸命さが伝わる発表をし、皆から拍手をもらっていました。
まだまだ、これから勉強していきますが、そのための元気をもらっているな~と思います。
なんだか今日はいつも以上に子ども達がかわいく思えたもので誰かに聞いてほしくてメールさせてもらっちゃいました。
お忙しい中すみません。お返事は結構です!!聞いてくださってありがとうございました。』
以下が私の返信です。
『ありがとうございます。
このようなメールが私の元気の源です。
さて、社会科の『学び合い』ですが、体育、算数に比べると課題の設定が難しいと思われるかもしれません。
人間関係の向上は直ぐに見えるのですが、両教科に比べると、必ずしもテストの点数に反映しないということが起こる可能性があります。
それは、課題が抽象的で、子どもたちにとって分かりにくい時に起こります。
方法は簡単です。
くよくよ悩むより、業者テストを参考にシンプルな課題を与えればいいのです。
シンプルな課題であっても、クラス全員が80点以上を実現するためには、
深い理解がなりません。
教師がゴチャゴチャと教材にひねりを入れなくとも、一人一人の子どもが意味深い教材に変えてくれます。
注意点は作業量を多すぎないように加減することです。
作業量を多くするよりも、課題を困難にする方が望ましい結果が得られます。
社会科での『学び合い』を乗り越えれば、
『学び合い』は教科の内容には依存せず、一貫した学校観・学習者観・授業観に基づくものであるということが分かると思います。
期待していますよ。
ちなみに、○○さんの次の課題は、周りの人を巻き込むことです。
『学び合い』によって成長するのは、子どもばかりではなく、教師も同じです。
自分が向上し、クラスの子どもたちが向上するためには、
教師の『学び合い』が必要です。
すんごく期待していますよ。』
追申 ちなみに本メモは「可視化」です。『学び合い』の考え方は常に一貫しています。
■ [嬉しい]広がる・広がる
本日はもう一つの学校にサポートに入りました。その学校には今年からサポートに入っている先生がおられます。最初は半信半疑だったのですが、校長先生の話から社会科での『学び合い』を「やるはめ」になったようです。しかし、その先生は力のある先生です。やり始めると、子どもの関係がどんどん向上し、成績が向上していることに手応えを感じておられます。今月から算数の『学び合い』を始めましたが、今までの文化があるため、始めた瞬間から中期段階を突破する質の高い『学び合い』が始まりました。
その先生の姿に誘われて別な先生が、自ら『学び合い』を立候補しました。私としては、一番やりやすい算数での『学び合い』を勧めました。これまた、「直ちに」『学び合い』が成立しました。それで味をしめたので、他教科でも『学び合い』を拡大中です。
その先生のクラスの音楽を担当している先生が、そのクラスの様子が急に変わったことを感じ、「最近何かした?」と聞いたそうです。そこで、『学び合い』のことを説明しました。そこで、その先生は本日から『学び合い』をやり始めました。
本日は3先生と一緒に話し合いました。どんどん夢を語りました。音楽の先生は書写も担当していることを聞いたので、「学び合う国語」を謹呈し、是非するように語りました。やるそうです。
『学び合い』は正しくやれば、2週間以内、明確な変化が見られます。百万遍のごたくより、現実の子どもたちが何よりの証拠です。
あはははは