■ [ゼミ]大抜擢
上越に学校として『学び合い』を取り組み始めた学校があります。10月頃から私や院生さんがサポートし、今は、我々の手を離れています。現在は学部生が入って、授業の姿を観察・分析させていただいています。その学校に本日も学部3年生が行きました。
その学生が急遽、明日、授業をすることが決まりました。と、聞いたものだから、私は大笑いしました。同時に、その学生が授業させて欲しいとでも言ったかなと不安にも思いました。教育実習でもないのに、免許も持っていない学生(それも3年生)が授業させて欲しい、というのはそうとう図々しい要求です。もし、そうであるならば、その学校にすっ飛んでいって、校長先生にお詫びしなければならないな、と思いました。ところが、よく聞くと事情が違うようです。
その学校のある先生が「おめでたい理由」で1週間ほど休暇を取られています。という理由で、いろいろな先生方が、代わりの授業を担当されています。そこで、です。いつもの通り、授業観察に来た学生を校長先生が見つけると、「授業をやりなさい」と言ったそうです。それを聞いて、また、大笑いしました。前から好奇心旺盛で、お茶目な校長先生だと思っていましたが、『学び合い』の実力をよく分かっている方だと再認識しました(まあ、そうでなければ学校として『学び合い』を取り組むことを決断しなかったでしょうけど)。
『学び合い』であれば、課題がシャープでシンプルに建てられるならば、3年生だろうと、2年生だろうと、いや中学生であっても可能です。その学生は、かなりの時間、『学び合い』を見ています。おそらく、課題設定は出来るでしょう。そして、校長が手を入れるでしょうから万全です。と、分かっているのですが、とても面白いと思います。
でも、いいシステムだとも、思いました。自分を分析できなくとも、人は分析できます。いわゆる岡目八目というものです。だから、授業の見せあいっこは有効です。でも、互いの指摘を率直に言える、聞けるという関係があることが前提です。ところが、学生の授業だったら、職員全員、言いやすい。まさに、学部生はまな板の鯉状態です。学部生の授業を通して、その学校の先生方が授業力をアップできるシステムです。
本当に面白い。『学び合い』のおかげで、閉塞した学校において、金鉱がそこらじゅうにあることを気づきます。あはははははは