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2007-11-30

[]再会 22:15 再会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 再会 - 西川純のメモ 再会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 毎週金曜日は水泳教室です。そこには幼稚園で息子と一緒で、小学校は別な、息子がお気に入りだった女の子も通っています。曜日、時間が違うので合うことはありませんでした。しかし、本日、息子の水泳教室の様子をプール外から見ていた家内が、その子と合ったそうです。そのことを息子に言うと「僕のことなんか言っていた?」と家内に聞いたそうです。それに対して、「え?、○君いるの、どこ?」と言ってプールの方をその子が見ていたよ、と家内は息子に教えました。それを聞いた息子は、ニマ~っと笑ったそうです。けなげな男心です。

[]昨日のコメントに応えて 12:24 昨日のコメントに応えて - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 昨日のコメントに応えて - 西川純のメモ 昨日のコメントに応えて - 西川純のメモ のブックマークコメント

 rion_fujiさん、あべたかさん、motoさん、OB1989さん、そして、メールを頂いた同志各位へ

 感謝します。みなさんのコメントのおかげで元気が出ます。

 現状の改善に向けた私の考えをメモりたいと思います。超長文です。

 過去のメモでも書きましたように、子どもと同じく教師もネットワークが必要です。それを構築するために何が必要と思っているかを書きます。同志各位のおかれた環境で「出来ること」なら是非、ご検討頂きたいと存じます。順不同です。

 あべたかさんが指摘しているように、『学び合い』が「教師は何もしない」と誤解される危険性があります。また、「教師には専門性はないのか?」という不安を教師に与えます。しかし、同志各位はご存じの通り、教師はいっぱいやっています。ただ、今まで教師がやっていたことは子どもに出来ることが多いので、そちらは子どもに任せ、子どもには絶対に出来ないことを教師がしています。そして専門性に関していえば、『学び合い』の初期段階だったら、教師としての専門性は殆どいらないと思います(皆無ではありません)。健全な常識と、健全な愛があれば誰でも出来ます。しかし、「みんな」を徹底させる中級段階、とてつもないことを達成できる上級段階には高い専門性がいります。それは教師の専門性というより、「大企業の社長」、「政治家」に必要とされる能力に近いものです。これの有無によって、中級段階に達する時間や、最終的に実現できる達成度のレベルは格段に違います。本を読み、自分で考え、人と語り合うことによって一生をかけて高めるものです。

 が、誤解されています。その原因の大きな一つに「私」がいます。ゼミ生から、「先生、誤解されるよ」といわれます。すみません。私のレトリックは、私のキャラが反映されてしまいます。でも、それがフィットする人もいるのです。では、どうするか。『学び合い』のセオリー通りです。多様で多数であるとき、高度で安定した達成がなされるのです。私と違ったキャラの多くの方が情報発信をする必要があります。

●授業を公開してください、語ってください

 ご自身の『学び合い』の授業を公開して、それを通して語ってください。『学び合い』は革命的です。どうも文字では伝えられない部分があります。ヴィデオをHPで公開していますが、それでも伝えられないのは、子どもたちの会話です。彼らがごく普通の会話を積み上げながら、楽しく、高度な会話をしていることはライブしか伝えられません。まずは、ご自身の職場で公開してください。また、私もお願いすると思いますが、受けて下さい。見られることによって美しくなるのは女性ばかりではありません。子どもも教師も見られることによって美しくなります。『学び合い』が完成したら公開なんていったら永遠にその時は来ません。だって、『学び合い』には永遠に完成なんて無いんです。教師がどん欲にどんどん望み続けなければなりません。それを失ったら、クラスが腐ります。悩んでいる、迷っている、その姿を公開することによって、子どもが化けます。そして、自分も化けます。授業公開は、公開してもらう側より、公開する側の方が多くを得られるのです。

 出来れば、それを学校レベルで公開できるようにして頂ければと思います。

●ブログで情報発信をして下さい

 日々の実践で気づいたこと、悩んだことをブログで公開して下さい。私は日記を3日以上続けたことはありませんでした。ところが、ブログだと7年間続くことが出来ました。不思議なものです。2年も続けば、自分の宝になります。くだらないことかもしれませんが、私は「親ばか日記」をアップしています。そのおかげで、息子が何月何日に歩き始めたか、何月何日に何という言葉を最初にしゃべったかが分かります。お子さんのある方に聞いたいですが、皆さんはそれを覚えています?そして、忘れた方は、記録しておけば良かったと思いません?

 皆さんの成功例ばかりではなく、失敗例にも意味があると思います。ブログに書くということを通して、自信の実践を再評価することが出来ます。それによって同志が勇気づけられ、回り回って自分が勇気づけられます。

 出来れば、この学び合いグループで立ち上げて頂ければ有り難い。もし、既にブログを立ち上げている方は引っ越して頂ければ、有り難いです。そうして頂ければ、一目瞭然です。数が多くなったら、○○県学び合いグループのように分かれていけばいいと思います。しかし、そこまでしなくても、『学び合い』に関する分室をこちらにたてて頂くなり、ご自身のブログと相互リンクを張ることでも結構です。

●オープンにして下さい

 現在、私のところには「ライブを見たいけど、どなたかいませんか?」とか、「○○についてどうしたらいいか分からない?」というメールがドンドン来ます。私は交通整理をしながら、地理的・内容的に近い同志を紹介し、仲立ちをしています。しかし、今後、さらに発展するには、そのような方式では限界が来ます。私を介せずに、やりとりできる方式が望ましいと思います。それには、自らの情報を公開し、直接やりとりできるようにしたらいいと思います。もちろん、おかれた状況によって、各人が公開できる情報は様々でしょう。しかし、できる範囲で公開して頂きたいと思います。例えば、ブログ等に以下を公開します。

○氏名(ただし、伏せたい場合はバンドルネームでOK)

○メールアドレス(いつも使っているメールアドレスでなくても可。ホットメール、グーグルメールでも可。つまり、捨てたいときは捨てられるメールアドレスで結構です。そのメールアドレスに、いつも使っているメールアドレスへの転送設定をすればいいのです。)

○勤務地(出来れば市レベル、それが出来ない場合は○県北部程度。ライブを希望する人には重要な情報です。)

○勤務学校種・教科名(たとえば小学校、小学校音楽、中学校社会、高校国語)

○メールOKの方は(いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。と書く)

○ライブ参観OKの方は(ライブ参観OKです。希望があればメールしてください。詳細はメールで相談しましょう。と書く)

●フォーラムを開いて下さい

 『学び合い』はまだまだ一般的ではないですが、それなりの認知度を得たと思っています。しかし、本で読んだけど、講演で聴いたけど、でも・・。という方は多いはずです。本年度、「子どもに学ぶ教師の会」の主宰で埼玉と長野でフォーラムを新たに開きました。その会に集まることによって、実は、意外に近いところに、同じような考えの人がいるということに気づくことが出来た方もいっぱいいたと思います。また、学者の私の書いたことだと「眉つば」と感じている人も、それを普通にやっている実践者の言葉で聞けば納得できると思います。是非、そのような会を開いて頂きたい。

 え!?、そんなの大変でしょ?と思われるかもしれませんが、実に簡単に出来ます。必要な会場は50~100人程度の人が集まれる会場を確保します。公共機関の会場を借りるという方法もありますが、意外な方法としては大学の施設を借りるという方法もあります。意外に安価に借りられます。ちなみに上越教育大学で100人程度の教室を1時間借りる場合は503円(光熱費は別)です。さらに言えば、学生さんが参加しやすいというメリットもあります。

 発表者は4、5人程度で、発表時間は20~30分。一人一人の発表後の質問の時間は、特段取りません。事前に冊子を作らなくてもOKです(もちろん作ってもOKです)。発表者が資料が必要だと思ったら、必要部数増す刷りすればいいのです。ただ、名刺(自作OK)が用意するといいと思います。

 発表が終わったら、会場の4隅に発表者が移動し、イスに座ります。参加者は、聞きたい人のところに行って話し合うのです。その話し合っていることを聞いたり、自分も聞いたりするのです。口頭発表とポスターセッションの合いの子みたいなものです。さらに言えば、発表者と無関係に、そこここで参加者同士が名刺交換したり、相談したりするのです。

 以上を成立させるに必要な最低限の予算は、金額では1万円ぐらいです。もちろん予算によっては、旅費支給したり、茶菓子を用意したり、冊子を用意したりすることも可能です。また、発表者ですが、4人もいればOKです。つまり、自分の他に3人いればいいんです。ちなみに、その3人が確保できなければ、私も参上したり、近くの同志に声をかけることも出来ます。あと、受付に二人ぐらいです。ちなみに私はよく受付しますよ。それと今回の関西の会で再確認したのですが、熱意ある学生さんは少なくありません。ちゃんと宣伝すれば、参加してくれると思います。

 ね、簡単でしょ。

●本を書いてください。雑誌に投稿してください。

 私が単著を出したのは39歳の時でした。それまで学術論文を山のように出した私ですが、本は初めてでした。しかし、書いているうちに「結局、授業と同じジャン」ということが分かりました。要は、伝えたいことを分かってもらい、最後まで聞いてもらえるために、何をすべきかが大事なんです。本を書くことは大変です。しかし、一人でやろうと思わないでください。大学に籍をおくものだったら、学生さんといっしょにやりましょう。小学校に籍をおくものだったら、子どもたちとやりましょう。え?と思われるかもしれませんが、「自分たちの学びの素晴らしさを、どうやったら他の先生方、家の方に分かって貰えるだろうか?」と子どもに問いかければいいだけです。また、自ら教材を開発しているならば、「これよりいいものを開発せよ」と言えばいいだけです。彼らが作り出す成果、そして、そこでの彼らの姿をまとめれば、あ~ら不思議、本になっちゃった。です。ユーザーの意見に基づく製品がいいに決まっています。そして、子どもが教材をつくりあげたら、それだけでインパクトあるでしょ。まあ、単著というのは難しいという方でも、雑誌への投稿は可能だと思います。

●その他

 以上は、方法です。でも、大事なのは、より多くの子ども・教師が学び合い、安心する時間を確保し、健全な民主社会を構成することです。それにいたる、様々な方法を考え、実行しましょう!