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2008-05-20

[]埼玉の会 10:50 埼玉の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 埼玉の会 - 西川純のメモ 埼玉の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 6月7日に埼玉県本庄市(新幹線・本庄早稲田駅徒歩3分)で「『学び合い』を学ぶ研究会in埼玉」があります。12時半から受付で、16時45分に閉会で、その後、軽い懇親会があります。参加費2000円(懇親会費3500円で別途)です。

 ご希望の方は杵淵眞さん(makine44★mail.goo.ne.jp ★を@に変えてください)に、「①お名前②お勤め先③ご住所④お電話番号⑤懇親会の参加の可否」をご記入下さい。受信したら、杵淵さんから返信が来ます(来ない場合は、届かなかったということです)。

 『学び合い』の同志は気楽な方々ばかりです。当日は、「『学び合い』は凄いぞ~」という発表ばかりではなく、「西川先生は簡単だと書いているけど、私はこんなに苦労している。え、あなたも、あはははは」という内容もあります。お気軽に。

[]大学という職場 16:39 大学という職場 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大学という職場 - 西川純のメモ 大学という職場 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以下のことは、大学人以外は関係ないと思います。が、その他の職場の人も、ちょっと関係するかもしれません。つまり、『学び合い』が成立していないとどうなるかという見本です。

 大学だって、小中高の現場だって、忙しい人と暇な人いることは同じです。ところが、小中高の学校の場合は、病的M教師以外は小学校では担任は持ちますし、中高では一定時間を担当します。ということで忙しい人と暇な人の差は、40対60ぐらいです(せいぜい30対70ぐらいでしょう)。ところが大学は違います。講義を開いても殆ど誰も履修しない、研究室希望は0という方は少なくないんです。それを補うために、忙しい人はもっと忙しくなります。結果として0対100となることは十分ありえます。

 もう一つ違いがあります。小中高では忙しい人が感謝されます。というのは暇な人であっても40の仕事があります。その40の仕事をこなすためには忙しい人の協力が必要です。忙しい人が、その人に協力するために、もっと忙しくなります。ということで、40の人から感謝されます。ところが大学の場合は暇な人は0なので、他の人の協力はまったく必要ありません。また、他の人がどれだけの仕事をしているかも興味はありません。ということで、忙しい人に対しては「好きでやっているんでしょ」というものです。さらに言えば、「あんなに仕事するから、自分の方が迷惑する」という反応が生じます。

 高校から大学に異動して、上記のようなことが起こるなんてどうしても理解できませんでした。心の中には、「いつか正義の味方が正す」と思っていましたが、いつまでたっても月光仮面は現れませんでした。やがて、何も考えずに仕事を受けることは害があって益がないことが分かります。ただし、仕事を逃げまくれば0の人の仲間になり、結局、腐ります。

 大学に異動する前は、仕事を受けるか受けないかは、その仕事の内容が自分の専門に近いかどうか、その仕事の負担はどれくらいかによって決まりました。大学に異動して5年間ぐらいたって理解したことがあります。大学において仕事を受けるか受けないかは、誰の仕事の依頼か、ということが決定的であることです。仕事を受けるべき人からの仕事だったら、自分の専門から遠くとも、その仕事の負担が大変であっても受けるべきです。しかし、仕事を受けるべきではない人からの仕事は、自分の専門であっても、その仕事の負担が楽であっても受けるべきではありません。専門だから、楽だからと受けてしまうと、あり地獄のような状態に陥ります。

 では、受けるべき人か、否かを決める基準は何でしょう。まず、依頼する人の業績を調べることです。無能な人と調整しながら仕事をすることは、一人でその仕事を全部するより大変です。今の世の中、業績はインターネットでちょいと調べれば分かります。

ただし、有能だからOKかといえばそうではありません。世の中には、人をこき使って、使い捨てている人がいます。それを、どう見分けるか?これまた簡単です。その人と長く付き合っている人がいるか、どうかで分かります。ただし、その付き合っている人が、独り立ちできる人であるかどうかが重要です。無能な人の場合は、どんなに不義理をされても、すがるしかないので長く付き合うということがおこります。つまり、業績を上げている人と長く付き合っているかどうか、これで分かります。

なお、以上は大学という職場が『学び合い』が成立していないことが原因なんです。

ということで、大学という職場は、見かけほど楽ではないということです。