■ [大事なこと]子どもで見せる
私の初任校は「純粋無垢のオール1」、暴走族、境界児、シンナー・・・だけでした。その子ども達に私は物理をはじめとする理科を教えました。普通の子どもでも物理は嫌がります。当然のことながら、むちゃくちゃな状態になりました。子どもをバカにしました。そんなときです。職員室に私が教えているクラスの子どもが、数学のS先生に質問行きます。その子どもが手に持っていたプリントを見ました。ビックリしました。私の物理より遙かに高度な内容でした。ビックリしてS先生に「どうしたらいいのですか?」と聞きました。S先生は「授業見に来て良いよ」と言いました。
と、言っても変なプライドがありました。S先生の授業の後ろに居て、聞くということに抵抗感がありました。そこで、空き時間に廊下を歩きながら通り過ぎました。ほんの十秒以下の時間ですが、子どもが違うことは見て取れます。それからしばらく悩みました。でも、結論は最初から分かっていました。子どもが悪いのではなく、自分が悪いということです。
本日、同志の一人から、ある中学校のことを相談されました。荒れている学校だそうです。私は同志となりうる数人と直接メールできるようお願いしました。個々の先生方は一生懸命やっています。でも、「駄目だろうな~」と思っているでしょう。その気持ちは、子どもに伝わっています。結局、教師の心が変わらねばなりません。でも、私には現状でヘトヘトになっている先生方に伝える力はありません。私がいくら語っても、「け、大学の教師な何、脳天気なことを言っている」と思われるでしょう。そう思われるのは当然です。でも、変わらなければならない、と思い、そのためには何とせねば、と思っている先生もいます。その先生が、子どもを変えるしかないのです。子どもは、子どもであり、どんな子どもも、同じであるということを事実で伝えるしかないのです。
もちろん、それでも伝わらない人もいます。でも、私のように、それによって伝わる人もいます。そのような連鎖が学校を変えるのです。