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2009-01-11

[]正直 19:20 正直 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 正直 - 西川純のメモ 正直 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は嘘が下手です。嘘というのは、大抵は自分の最も恥ずかしい部分に繋がっています。それがばれるので、嘘はつかないようにしています。

 リンカーンは、「多数の人を少しの間騙すことはできる。 少数の人を長い間騙すこともできる。 しかし、多数の人を長い間騙すことはできない。」と述べました。これは本当だと思います。たとえ、一人を相手にしているとしても、その一人が他の人たちと私の情報を相互参照できる状態では、多数の人を相手にするのと同じです。私は講演では嘘をつきません。だって、多くの講演の場合には同志がいますし、そうでなくても早晩伝わることは目に見えています。またゼミ生に対しても嘘はつきません。理由は同じです。

 私は政治をして下さい、とよく言います。ある場合は「嘘(正確には方便)をつけ」と言う場合もあります。ただし、ばれるようなら嘘は言わない方が良いと思います。例えば、ある種の管理職には嘘をついた方が良い場合もあります。ただし、その管理職が、自分の嘘のつけない人と繋がっているならば、その管理職には嘘はつかない方が良いでしょう。ましてや、クラスという一年間つきあう多数の子ども相手には嘘はつかない方がよいでしょう。嘘はばれますから。

 そのように嘘はつけない場合は、本当のことを言いましょう。ポイントは、何度も、何度も、しつこく本当のことを言いましょう。集団を相手に本当のことを語れば、分かってくれる人が必ずいます。その人が伝えてくれます。

 クラスに語る時に何を語るべきかを語るとき、ばれて恥ずかしくないか自問して下さい。まあ、悪気のある教師は殆どいないでしょう。でもね、子どもを集団と考えられず、そのため、子どもの能力を低く見てしまう教師は少なくありません。それを根ざして嘘をつけば、それがばれます。それがばれると子どもは教師の期待通りの愚かな存在になりますよ。だって、最初に気づく出来る子が手を抜きますから。

追伸

 個人に対しては、最後まで分かってもらえないかも知れません。でも、何度も、何度も、しつこく本当のことを語り続ける人は、その人にとって、一番、手強い相手のはずです。頭のいい人は、途中で語ることをやめたり、玉砕したがるものです。それは相手方にとっては扱いやすい。その個人以上に力のある個人や組織とネットワークと繋がって下さい。そして、真面目に法規を勉強して下さい。その上で、何度も、何度も、しつこく本当のことを語り続ける人は、相手にとっては悪夢のような人ですよ。もちろん、不必要に戦うのは馬鹿げています。

 なお、ネットワークを持たない個人には嘘をつくことは出来ます。あははは(例外は家内です)

[]講演の目的 12:00 講演の目的 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 講演の目的 - 西川純のメモ 講演の目的 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の講演会での語りはパワフルです。マイク無しでマシンガントークを1~2時間続けます。その中では、「教師は最善の教え手ではない」とか「教科の能力は不要」というような大多数の先生方に気にさわることを連発します。まるで「さあ、かかってこんかい!」とケンカを売っているようです。そこで、「先生、マイクを使って静かに語る方が、先生が善人に見られますよ」とか「子どもを信じましょう、とか、教科の時間でも心を育てましょう、レベルの話に押さえておけば、敵を作らないのに」と言われます。全くです。私もそう思います。しかし、目的が違います。

 私が講演する目的は、数百人の人に私が善人に思われたいと語っているわけではありません。私は数百人の中にいる数人の人、即ち、私と一緒に戦ってくれる人を求めているのです。「子どもを信じましょう、とか、教科の時間でも心を育てましょう」レベルの話にとどめ、誤魔化してしまえば、「私のやっていることは、今のままで良いんだ!」と喜ばれますが、『学び合い』と現状との違いを伝えることが出来ません。私は万人に伝えることは出来ません、伝えられる人に確実に伝えることを大事にします。

 以前のメモにも書きましたが、革命的な『学び合い』を最初からすんなり理解できる人というのは特異体質です。そのような人が少数なのは、生物種としては健全です。そして、最初からすんなり理解できない人がいるからこそ、日本の教育は信頼性を持っているのだと思います。そのような方々に伝えるには、人間関係のある方の語り、子どもの姿しかありません。よろしくお願いします。

追伸 だれかが私の語りをやってくれれば、私は「よいおじさん」にシフトできます。まってます。でも、『学び合い』がある一定以上に一般化したら、もう少し、ソフト路線にシフトできるかも知れません。あははは