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2009-01-30

[]長 22:49 長 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 長 - 西川純のメモ 長 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近の話題です。ある時、私が「長」というものから必死に逃げていることを話したことがあります。今のところ、私はコース長ですが、私の上には専攻長がいます。その方ができた方なので、ありとあらゆる会議は、その方が出席します。ということで、コース長として出席を拘束される機会は、年間に2、3回しかありません。あと、日本理科教育学会の学会誌編集委員長を務めていますが、非常に有能な事務局長がいるので事務的仕事は全くありません。人間的にもできた方々が編集委員を務めているので、ゴタゴタの処理の必要はありません。私の仕事は年間に2回程度会議に行き、「つつがなく編集が行われています」と言うだけです。私が勤めている「長」はこの二つです。

 私がいかにして「長」から逃れているかを気安い人たちに、面白おかしく馬鹿話をしました。そこで、何故、そんなにしてまで「長」から逃れているのかを質問されました。そこで、「逆に聞くけど、長になると良いこと何かある?」と聞きました。そこで、ある人が「他の人に、何かを命令できる」と言いましたが、言い終わらないうちにその人および同席の人たちがニヤニヤし、やがて笑い出しました。曰く、「西川先生は、長でなくても、人にはばんばんと求める」です。そうです。私は肩書きで人に求めることはしませんし、第一、そんなことは無意味だと思っています。長であろうと、なかろうと、そのことがその人にとって意味があり、みんなのために意味があると思えば、そのことをちゃんと語れば良いだけのことです。

 ちなみに、別の機会にある人に「子どもに学ぶ教師の会」には会長がいないことを言ったらビックリしていました。その方は私が会長だとかってに思っていました。しかし、私はそれを公言したことはありません。まあ、会の後援でどうしても必要な書類にはそのように書いた文章もあったかもしれませんが、それは一般に見えるものじゃないですよね。第一、会長どころか、ありとあらゆるものが無いのです。あるのは趣意書のみ。このことは意図的なんです。

 組織は組織を作ることによって堕落する危険性を持ちます。組織を作れば、その組織の維持することを目的になりがちです。そして、それが堕落の始まりです。ありとあらゆる教団もそうです。共産党も訳の分からぬ細胞組織が共産党というしっかりした組織になったとたんに、レーニンは共産党員用の特権を認めてしまいました。

 逆の危険性もあります。町内会長の最大の仕事は、次の町内会長を見つけることです。何故かと言えば、誰もやりたがらないからです。何故やりたがらないかと言えば、町内会の仕事は町内会長「だけ」に集中するからです。町内の人たちは首をすくめてだれかに仕事が行くよう願っています。子どもの学びも同じです。よくある教師が教え役を定めるミニティーチャより、『学び合い』の中で流動的になんとなく教え役が決まり、そして、それが流動しつつける方が、健全ですよね。

 このことは私は意図的ですが、おそらく、日本全国の会も同じだと思います。きっちり決まった組織ではなく、勝手連のような集団ができて、その時の世話役みたいに長が決まる、そんなものだと思います。何の組織もなく、でも、ちゃんと動く組織が最高だと思います。そんなことが成り立つ、高い志!それがあると信じているから、趣意書のみなんです。

 明日は群馬の会です。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20080825/1219615370

[]クイズ 21:43 クイズ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - クイズ - 西川純のメモ クイズ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、3年生のゼミ生と個人ゼミをしました。その際、分からない授業の話が出てました。その流れの中で良い授業の話が出ました。そこで、彼に、「良い授業は何か?と聞かれたら、『学び合い』を分かる人は何と答えるか?」というクイズをしました。彼は、ごくごく一般の先生方の答えそうなことを挙げました。

 「そんなの分からない」というのが答えです。

 多くの先生方は、子どもの多様性を理解していません。だから、一通りの良い授業があると思っています。ところが、一人一人、そして、その時その時の違いを分かれば、教師ができる一通りの良い授業なんてあり得るわけありません。

 金太郎飴みたいな子どもを想定しているから、そんな問いがあり得るのです。一人一人の多様性が分かれば、一人一人、その時その時の無限の授業を「分かるわけない」と答えるはずです。

[]クイズ2 21:43 クイズ2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - クイズ2 - 西川純のメモ クイズ2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 コンピュータに「クイズ」と打ち込んだところで、息子と風呂に入りました。その際、息子がコンピュータの画面を覗いてから風呂に入りました。風呂から上がって体を拭いているとき、息子が「クイズってどんなクイズ?」と聞きました?え!?と驚きましたが、むげに流すことはしませんでした。そこで「あのね、今からクイズを言うけど、とても難しいし、説明しても分からないから聞かないでね」と前置きをしたあとに、「良い授業は何?というクイズだよ」と言いました。そうしたら、息子は「クラスがしっかりしていて、勉強も分かる授業」と言いました。思わず、息をのみました。誓って言いますが、我が家では殆ど仕事のことは話しません。従って、『学び合い』のことも話しません。そして、息子の前では、全く『学び合い』のことは話しません。というのは息子の学級は良い学級ですが、『学び合い』ではないからです。しかし、授業のことを聞いて、「勉強」の前に「クラス」のことを言いました。凄いと思います。

 きっと息子の担任は、授業を通してクラス作りをする人だと思いました。