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2009-03-23

[]悩み 22:36 悩み - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 悩み - 西川純のメモ 悩み - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2年前、ある新入院生が最初に私にあったとき言ったのは「一人の子どもも捨てない教育を実現する、と研究室案内にありました。それは本当ですか?」です。顔は「可愛い男の子」です。私は「はい」と迷い無く応えました。それ故、私の研究室に所属しました。最近、その学生から「上越教育大学ではなく、西川研究室で学べたからこそ、力不足の私でも教師になることができました。4月から、一人の子どもも捨てない学級作りを実現するために、精一杯頑張ります。」というメールを頂きました。誇らしく思います。初志貫徹です。男らしい顔で大学を旅立ちました。

 西川研究室は、良くも、悪くも、ハッキリした道を示した専門店です。そして、その専門店を良しとして入ってくれる学生がいます。それで我が研究室が成り立っています。ところがです。どうも、私の言っていることをなかなか信じてもらえないようになっているようです。おそらく、「何故、理科は難しいと言われるのか」、「学び合う教室」、「心の教科指導」、「学び合いの仕組みと不思議」あたりまでのレベルだと、理解してもらえると思います。ところが、今の我がゼミは、多くの先生方にとってリアリティのないことを主張しているんです。だって、本当に「一人の子どもも捨てない教育」を実現できると思って、そして実践しているのにも関わらず、多くの常識的な方は「理想的な姿だけど、実際に成り立つとしたら、凄い積み上げが必要なんだろう」と解釈されます。私がいくら語っても、「まあ、大学の先生様のデーターだから・・・」と解釈されます。方便で、一般の人に分かりやすいテクニック的に語ればいいのかも知れませんが、自分の心がそれを許せません。

 どうしたらいいのかな・・・と悩みます。世間が追いつくのは、あと数年だと思っています。でも、それまでは辛いな~。時々、研究室のない、授業だけの大学に異動し、全国の同志のサポートに専念した方が良いのかとも思います。でも、担任は教師の楽しみです。悩みます。