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2009-05-31

[]戦略と戦術 21:59 戦略と戦術 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 戦略と戦術 - 西川純のメモ 戦略と戦術 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日は結婚記念日後夜祭です。ということで、今日「も」家族で祝杯です。飲みながら「天地人」を見ました。そこでは上杉は損を承知で「義」を貫き通した、というような流れで話が進みます。が、私はそうはおもいません。「義」が有利だから上杉謙信は上杉家の基本方針としたのだと思います。上杉の戦いは「義」ばかりではありません。人道に恥じる事もしています。姑息なこともしています。しかし、「基本は「義」である」と主張し、それを疑われないような行動をし続けていたと思います。もし、上杉は「義」を掲げなければ、身内から裏切りが続出します。自分は「不義」でありつつ、身内に「義」を求めることは不可能です。もし、身内に「義」を求めるとしたら、自分が「義」を掲げなければなりません。世の中には「戦略」と「戦術」があります。戦略とはその戦い全体の勝利のための行動です。戦術とは、目前の戦いの勝利のための行動です。

 我々は一生という戦いを生き抜いています。そのためには「戦略」と「戦術」が必要です。1年の担任(教科担任も)であっても「戦略」と「戦術」が必要です。戦術は個人の経験によって得ることが出来ます。しかし、戦略は理論が必要です。それも、バカみたいに単純な理論が必要なのです。そして、優れた戦略は、個々の戦術群に指針を与えます。

 目前の戦いに目がくらみ、戦術の積み上げが戦略であると誤解する人は多い。でも、違います。戦略は戦略です。『学び合い』は戦略なんです。戦術ではありません。

[]机の配置 08:22 机の配置 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 机の配置 - 西川純のメモ 机の配置 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私はコの字の机の配置はあまり好きではありません。

 その理由の一つは子どもが移動しづらいからです。真ん中に大きなスペースを作り出すために、相対的に机と机をくっつける必要があります。しかし、最大の理由は、教師がその配置に拘ると、子どもがその配置を崩すことが困難になるからです。

 子どもは課題によって集団を変えます。例えば、算数・数学の場合は情報がコンパクトです。だから、身一つで他の子どものところに行って相談し、分かれば自分の席に戻り自分で問題を解決します。ところが社会の場合はノートにまとめるということが相対的に長くなります。身一つでという分けにはいきません。ノートを持って行くことになります。そして、そのノートを書くために机が必要となります。そのため、社会の『学び合い』では机をつけて作業する場合が多くなります。そして、その作業を通してノートのまとめ方が伝搬し、それが学力を保証します。そのため、机の移動が自由であることが重要になります。

 多くの学校は机を黒板に向けて、一つ一つの机の間を開けた配置をしていると思います。基本的には先生の話をずっと聞くという従来の授業のスタイルに沿ったものです。しかし、その配置が単純であるため、掃除の際に便利だと思います。そうであるにも関わらず、コの字になっているということは、教師が「コの字」が良いんだという思いがある可能性が高いと思います。それが問題です。「机の配置なんて教師が考えることではない」と考えるのが『学び合い』だと思います。『学び合い』の理想の教室とは、自由なのです。どの部屋に行っても良いし、机で勉強しても、床で勉強しても、長机で勉強しても・・、それが許される教室です。

 もし、ある教室に行ったらコの字に机を配置していたとします。私が「何故、コの字にしているのですか?」と聞いたら、「あ、そうですね。気にしていませんでした。なんか子どもが勝手にそうしているみたいですね」と応えたとしたら、そりゃ『学び合い』だと思います。

 教師の仕事は課題を与え、評価すること。そこに頭を費やすべきです。環境を整える上で重要なのは、教師が考えるベストな方法がやりやすい環境を与えるのではなく、子どもが自由に方法を選択できる環境を保証することです。

[]講演 08:25 講演 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 講演 - 西川純のメモ 講演 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 11月に金沢大学附属小学校で講演することが昨日決まりました。