■ [しんみり]発端
フォーラムのことを思い出して、メモります。
元々の発端は、新潟市のKさんと上越教育大学の自然棟5Fでの会話です。
いつもながら私の質問は極めて抽象的です。私の質問は「どうしたらいい?」です。
それまで臨床教育学会の大会を上越で行っていました。ところが、上越の先生方の反応は絶無に近いものです。学術研究での広がりの限界を感じた私は、「どうしたらいい?」とKさんに聞きました。彼曰く、「学会という名前が悪い」、「上越で開催するのが悪い」とのことです。私としては、ゴチャゴチャと議論をふっかけましたが、議論をふっかけた当初から「どうせ私の考えなんて駄目なんだ」と分かっていました。だから、「どうしたらいい?」を連呼していました。そして、新潟市近郊を中心としたOB・OGが動いてくれました。そして、西川ゼミの当時の現役メンバーが脇を固めました。
全ては、みんなが動いてくれました。
その際、私がして良かったことは三つです。
第一に、問題点を述べて解決策を相談したこと。
第二に、勝算はなくとも、相談した人が語ることは正しいことだと信じられたこと。
第三に、最悪、失敗したとき、自分が出来る範囲で尻を拭く覚悟を決めたこと。
これって、『学び合い』における教師の役割に重なりますね。
だから、それ以降、常に相談される度に「し~り~たくないの~」を連呼して、求めることは「いい会にして」の一点張りです。考えてみれば、私なんぞの考える事なんて、たいしたことありませんから。良い仲間に恵まれたと思います。
■ [大事なこと]OB/OG
本日、3年前に卒業させたOBにメールを送りました。ふと思い出しました。彼らが卒業研究をやる計画を立てた平成18年には、『学び合い』の実践を見せてくれる学校はありませんでした。それが今では日本全国に山ほどあります。
我々が本格的に学校現場に情報発信をしたのは平成17年の夏です。新潟市での第1回の『学び合い』フォーラムです。その時の参加者は、主催者である西川ゼミ関係者の数より少なかった。たった5年前です。最初、会をやるときには勝算はありませんでした。でも、やったから広がった。
甲子園に行ける実力が出来てから、大会に参加するのです。大会に参加することによって、実力が上がります。『学び合い』の会もそうです。会を運営できる勝算があるからやるのではありません。そのような層を創るために会があるのです。
案ずるより産むがやすしです。
彼らには120%の卒研環境を整えられなかった。しかし、せめてネットワークに繋げたいと願います。