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2009-09-17

[]先生 08:30 先生 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 先生 - 西川純のメモ 先生 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ブログ群の中で「先生」という言葉について話題になっているので、一言。

 先生という言葉には、職の意味と敬称の意味があると思います。病気を治す人を「お医者さん」と言うのと同じ意味で、学校で教える人を「先生」と呼びます。それぞれの職業の人には、それぞれの職を果たすための権利があり、それにともなう義務があります。それらは一対です。お医者さんは、医療行為をすることが出来ます。そのためには、医師免許を取得しなければなりません。そして、患者を治さなければなりません。もし、問題が起これば、それの責任を問われます。教師も同じです。教師は学校教育を出来ます。そのためには、教員免許を取得しなければなりません。そして、学力保証し、居心地のよい環境保証しなければなりません。もし、問題が起これば、その責任を問われます。つまり、子どもや、保護者や、同僚から「先生」と呼ばれると言うことは、その責任を期待されているということだと思います。

 私は大学院の在学中の院生さんは「さん」で呼びます。そして、少なくともゼミ生同士が「先生」と呼び合っていたら、「ここでは先生ではないよ」と注意します。このけじめがないと、学生なのに私を同僚と誤解する人が生まれます。また、学部学生・学卒院生に対して「先輩」ではなく、「教師」として対応する誤りします。しかし、本人がそう思っても、その職を全うするための権利を持っていませんし、義務も持っていません。

 しかし、現職院生さんが、前任校に「在学中」の教え子を大学院に連れてきたとき、その時は「先生」と呼びます。それは、その現職院生さんは、教え子に対して教師としての職を負っている(正確には、その教え子はそう思っている)からです。

 私が高校教師だったとき、私を「西川先生」とよぶ子はいませんでした。全員、「じゅんちゃん」でした。それを喜んでいました。しかし、今、考えると、子どもとの間合いを誤ったことは少なくなかったと反省しています。もちろん、「じゅんちゃん」と呼ばせても、間合いを間違わない人もいるでしょう。でも、私は彼らの友達ではなく、教師だったのです。若い教師の場合、先生と呼ばせる方が安全ではないかと思います。(もちろん、それによって自分が絶対君主であると勘違いする危険性もありますが)

追伸 大学大学院卒業・修了した後に、「元」先生をどう呼ぶかは、当人が決めることです。まあ、その人に対して在学中の「職」を継続して欲しいと願ったり、敬称として呼びたいという場合は、「先生」と呼べばいいし、そうでなければ呼ばなければいいと思います。ちなみに、私が教え子に「先生と呼ばないで下さい」と言った場合は、「あなたに先生と呼ばれたくない」という意味です。暴走族を教えた時期を含めて私の25年間の教師人生の中で、そう言いたいと思った人はたった二人です。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20030617 の突然家に電話をかけてきた子

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20030616/1172989504 のO君

 教え子から「○○さん」とよんできたら、教師としてではなく、友達としてつきあいたい人かどうかで判断します。ふぉふぉふぉ