■ [大事なこと]仲良くなること
ゼミ生との会話の内容を可視化します。
仲良くなるとはどういうことでしょう。ゼミ生は、お互いの共通点を探る会話があるか否かではないか、という仮説を挙げました。が、そうではないということを西川ゼミの過去の研究(主に辺土名さんの研究、あと小林さんの研究)挙げて、説明しました。
仲良くなれる人、それは自分の発言を「拾ってくれる人」、そして「肯定してくれる人」と認識できる人です。実は、共通点を探り会話とは、「拾ってくれる人」、そして「肯定してくれる人」であるかを確認する会話なのです。
相手と自分の興味が一致していないと、自分の話題を拾って、会話を続けられる可能性は低いです。また、同じ興味を持っていても、自分の意見と反対ならば、会話を続けられるのは困難です(不可能ではないし、そうすべきです)。
が、全ての人と、上記を試すとは限りません。おそらく、直感的で「拾ってくれる人」で「肯定してくれる人」と思える人に会話をトライするはずです。でも、直感的にはそうでない人であっても、「拾ってくれる人」で「肯定してくれる人」かもしれません。これは、直感的にはそうでない人であったとしても、会話をしないと分かりません。
また、あるジャンルの話題では「拾ってくれない人」、「肯定してくれない人」であっても、別なジャンルの話題では「拾ってくれる人」、「肯定してくれる人」であるかもしれません。これは、最初は拾ってくれなくても、肯定してくれなくても、会話をし続けないと分かりません。
いずれにせよ、会話をし続ける必要があるのです。『学び合い』では、教科学習という共通する課題を与えます。その課題だったら、拾い合います。そして、最終的な目的に向かって高低が行われます。それを通して、課題に戻る私語(桐生さんの研究)を続けることによって、あらゆるジャンルに会話をし続けることになります。そのうちに、ビンゴ!になる可能性があるのです。
だから、『学び合い』では、まず授業中の人間関係が改善され、それから休み時間の人間関係が改善されます。
でも、あらゆるジャンルの話題において「拾えない」、「肯定出来ない」ということは少数でもあり得ます。その場合でも、「みんな」を成り立たせるために、折り合いをつける、ということを学ぶことが出来ます。つまり、大人になれます。
追伸 大学院では、こんな雑談をゼミ生としています。
■ [大事なこと]明日
明日は富山の会です。今回の『学び合い』の会では、私の仕事は二つです。第一は、最初の挨拶を含めて10分間で最初の語りをするということです。そして直ぐに『学び合い』の模擬授業です。
これは非常にハンディがあります。例えば、M先生は色々な小中学校の子ども達の前で、飛び込みで模擬授業をします。その場合でも、二十分前後の話をされます。それが私に許されたのは10分間以下なのです。そして、子ども達の場合は、つきあいの軽重はあってもある程度のつきあいがあります。ところが今回の場合は、クラスのような関係性はありません。さらに、年齢が進むにつれて、非『学び合い』のトレーニングが進みますので、地が現れるには時間がかかります。ところが、今回の場合は、何回も積み上げることが出来ません。ということで、ハンディがあります。
が、富山の会の主催者からそのような申し出があったとき、「まあ、大丈夫だろう」と即OKしました。理由があります。
『学び合い』の質の正否は、クラスの2割~3割を占める、能力的に高い子の振る舞いです。その子が、自分の課題に向かっているか、みんなを成り立たせるために折り合いをつけた行動が出来るか出来ないかです。
今回の会には、かなりの人数の同志が参加します。おそらく、その同志は、この文章を読むでしょう。つまり、私が何を期待しているかが伝わります。
つまり、「分からないと言いましょう」、また、分からない人を探しましょう。そして、分からないと言えるようにしましょう。一緒に教えるようにしましょう。簡単でしょ。ふぉふぉふぉ。期待しています。
もう一つの仕事は30分間の講演です。これは、私の講演依頼の中で最短です。この時間では、今までのような多様な媒体を使った練った語りは出来ません。そこで、考え方を変えて、思い出話をしたいと思います。まったく、口先三寸だけで勝負です。
いずれにせよ、私としては初体験です。ふぉふぉふぉ