■ [う~ん]研究
私は日本中の教科教育学者の中で、もっとも学会論文の多い研究者だと自負しています。若い頃は論文を書きまくりました。ある友人からは、「どの学会誌を読んでもお前の論文が載っている」と嫌みを言われたものです。そして、現在はある学会の学会誌編集委員長です。
現在の研究の圧倒的大多数は、「これこれの教材を与えたら、子どもが分かりました」とか、「教師のこれこれの発問によって、子どもが変わりました」というものです。そういう研究は、子どもを十把一絡げにしています。でも、子どもは一人一人違うことを知ってしまいました。従って、その論文でこうやるとうまくいくという図式の記述を読むと、「おいおい、そうじゃない子どもはいるよ。きっとつまらなそうにしているだろうな~」と自動的に思うのです。その結果、興ざめして、読む気になりません。
おそらく『学び合い』が広がると学術の世界も様変わりするように思います。