お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2009-10-15

[]どうなんだろう 23:03 どうなんだろう - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - どうなんだろう - 西川純のメモ どうなんだろう - 西川純のメモ のブックマークコメント

 民主党の教員養成に関する改革案が徐々に出てきました。

 それによれば教員養成は6年制にするそうです。教育実習は1年間程度やるそうです。そして、経験10年程度の教員は1年間の再研修するそうです。

 色々なご意見がある方もあるでしょう。しかし、以上のことは上越教育大学が開学以来やっていた方向性に一致しています。教員養成の6年制は平成十二年の教育改革の際、私も加わって改革案としてあげました(しかし、時期尚早であるとのことで、それを表看板にすることを控えるよう「お上」から指導がありました)。開学以来、教育実習を充実して行い、大学1年~4年の全ての学年に教育実習を配置しています。また、教員再研修として大学院を設けているのは、本学の設置目的そのものです。

 が、民主党の改革案はかなりラディカルです。だって、6年制にしたならば、私立大学の殆どで教員養成が出来なくなります。既得権益のあるそれらの反対の大合唱が起こるでしょう。

 教育実習を1年間程度やるということは、だいたい50単位ぐらいになります。小中の免許を取るとなると、その他に80単位以上が必要になります。つまり、130単位になります。大学の学部の卒業単位と修士課程の修了単位を合わせると150単位になります。そのうち130単位が免許を取得する基礎科目がしめることになります。そうなると、いわゆるコース別の専門科目や、卒研、修士論文研究の入り込む余地はありません。ところが、現在の教員養成系大学の先生の70%以上の人は、その部分を担っている人です。

 免許更新制ぐらいのことで、大学は大あわてです。それが大学院での研修となると、その比ではありません。教職大学院を増加させるレベルでは追っつきません。さらに、そうするには教職大学院を全く変えねばなりません。そして、既存の大学院を全て潰すようなことになってしまいます。そして、全ての教員に大学院での研修を求めたとしたときの予算は天文学的になります。

 私としては非常に面白い案だし、うまくいけば素晴らしいと思います。しかし、どの一つでさえも、どう考えてもできるわけないよな~っというのが正直な感想です。そして、周りの人はみんなそう思っています。でも、マニフェストに書かれていることをやらねばならないと一生懸命になっており、族集団のしがらみもなさそうです。もしかしたら、行くのかも知れないとも感じます。そうなったら、面白いことが起こりそうですが、現場の我々は、驚天動地の日々が続くことになります。

 制度は国会で変えることは出来ますが、勤めている人の頭は変えることは出来ませんから。

追伸 中学校に置き換えると、以下のようなことなのです。

 中学校の現在の小学校5年から高校1年の6年間となる。

 中学校の国語の授業数を現在の10倍にする。

 25歳の成人は、1年間は中学校で学び直す。

 こんな案が出されたら、「できるわけないよな~・・・」と思うでしょ?

[]上越2 22:34 上越2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 上越2 - 西川純のメモ 上越2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は北海道から沖縄まで講演に呼ばれます。そのため、1年当たり2ヶ月ぐらいはビジネスホテルで過ごしています。

 ところがです。お膝元の上越で講演に呼ばれることは殆どありません。同じ新潟県でも、100Km以上離れた下越に呼ばれることの方が5倍以上あります。それ以上に、他県に呼ばれること多いです。とにかく、地元では殆ど知られていません。地元で呼ばれる場合は、理科教育の先生として呼ばれることはありますが、『学び合い』で呼ばれることは殆どありません。

 印象深いことがありました。地元の学校で『学び合い』が取り入れられ、かなりの成果を上げました。その結果として、その学校の校長先生が学校の主軸として『学び合い』を位置づけました。そして新年度、新しい先生が異動されました。その先生にとってはビックリされたと思います。だって、移動した学校では驚天動地の『学び合い』という授業が展開されているのです。そして、自分もやらなければならないような雰囲気になっています。ある先生はやんわりと、ある先生は明確に拒否感を持っていました。私の方も、やりたくないという人には伝えられないので、無理しませんでした。

 ところがです。夏休み明けに合ってみると、複数の先生の『学び合い』に対する積極性が変わっていました。どうしたんだろう???と思いました。間接的な情報を総合すると新潟のフォーラムに参加されたためのようです。実は、その方々が新潟のフォーラムに参加しているとは知りませんでした。しかし、勤務校の『学び合い』を理解しようと、1時間以上電車に乗ってフォーラムに参加したそうです。

 おそらく、その先生方にとっては「校長先生が学校近くの大学と言うことで、その大学の一人の先生を呼んできた。ところが、その先生は怪しげな教育法を提唱している。」のように思っていたのだと思います。ところが新潟のフォーラムに参加すると、日本各地の方々が様々な『学び合い』の実践を発表しています。それを目の当たりにして、『学び合い』が全国的な広がりを持つものであり、田舎大学の一教師がとりつかれている怪しげなものではないということが分かったのだと思います。

 自分に比すのははばかられますが、イエスキリストもナザレにおいては「大工」としか見られませんでした。

[]山口の会 06:32 山口の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 山口の会 - 西川純のメモ 山口の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 山口で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/sakusaku0428/21000101#1255444161