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2010-03-28

[]シンプル 09:26 シンプル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - シンプル - 西川純のメモ シンプル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 晩酌は良いものです。でも、食事も進みますし、話題も弾みます。が、もし酒を飲むことが主となったら、晩酌ではなく酒席になります。そうなると、酒ばかりになりつまみはおろそかになります。まあ、たまの酒席は良いですが、それが毎日になれば、体に悪い。ましてや、最悪、塩だけで一升いけるということにもなりかねません。こうなると体が悪くなります。もう、アル中です。

 だれしもアル中になりたくてなるわけではありません。酒を飲めばとりあえずは楽しくなります。そこで、少しづつ量を増やします。酒飲みの酒を飲む理由付けはは浜の真砂ほどあります。そして、アル中になります。こうなると、酒を断つ以外に方法はありません。1合飲んで止めるなんて出来ません。

 『学び合い』においては、教師の「考え」が食事で、話術・面白教材はテクニックで酒にあたります。そして、現状の教師の多くは、晩酌ではなく酒席が授業だと思っているのです。中には、大枚の金をかけ、多くの研修を受け、本を読み、テクニックを積み上げています。そして、それが名人教師だとまわりも思っています。食事が美味しいのではなく、良い酒を出すことで有名になる定食屋みたいなものです。

 私は、アル中に向かって、酒ばかりでは駄目で食事が大事だと言っているようなものです。だから、酒(テクニック)を断って、食事(考え)を味わってくださいと言っているのです。食事を味わえば、自分の食事の善し悪しがよく分かります。その上で、食事の改善をするのです。

 独身時代の私は、毎日、一升以上の酒を1年365日飲んでいました。そして、30歳の時、急性肝障害で1ヶ月入院しました。33歳で結婚すると、毎日、8合の酒で毎日晩酌しました。今では3合の酒で十分ですし、週に2、3日の休肝日があります。何故かと言えば、酒がなくても十分に幸せだからです。そして、その前提で、家内と晩酌するのが楽しいのです。

 『学び合い』において、テクニックを併用するには、テクニックを使わなくても『学び合い』が成立することが必要です。成立しない状態でテクニックを併用すれば、よほどの意思の力(またはまわりの人の協力)がなければ、テクニック依存度を上げます。それと酒量は人によって違います。ある人の適量を別の人が飲めばアル中になる危険性があります。それを注意せねば。

 さて、アル中に食事の改善をさせるとしたら、どちらの方が良いでしょうか?毎日、1合までは良いよ、と言って改善させるでしょうか?また、私のように毎日一升だった人に、徐々に8合、6合、4合と減らすべきでしょうか?これには意思の力も必要ですし、まわりの人の援助が必要です。今の『学び合い』の実践者の密度から言って、かなり難しいですね。だから、私は断つことを勧めているのです。

 26日のメモに対するKanさんへの返信を書きながら、私が本質的にテクニックが大好きで、それを誇っていることを自覚しつつ、自戒のために書きます。

追伸 私は『学び合い』を急激に広げることより、本当に分かる人を着実に増やすことを重視しています。だから頑固にしています。分かった人が、ちゃんとモニターしている状態が成立するならば、セオリーを堅く求めなくても人が帳尻あわせを出来ます。でも、まだ、その帳尻あわせを出来る人の数は多くはありません。だから、自分の職場の人にだったらば、テクニックの併用を勧めてもOKだと思います。でも、テクニックの併用を勧めるとした、責任を持ってくださいね。

 私が恐れているのは、テクニック併用で「な~んちゃって『学び合い』」が『学び合い』だと思いこみ、それを広げる人が増えることです。また、「な~んちゃって『学び合い』」で失敗し、それが『学び合い』の失敗だと言いふらす人が増えることです。