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2010-05-03

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 今年度中にやりたいことを書きます。

1) 僻地小規模校での『学び合い』実践と発信

固定的な人間関係が幼稚園から中学校まで続きます。だれがボスで、誰の言うことは聞かねばならないという関係がずっと続くのです。それが青年団、老人会まで続くとしたら不健全です。また、高校や大学に行けばギャップが大きく、そこで躓く子供が生まれます。

日本の僻地小規模校はむちゃくちゃな授業をやっています。たとえば「わたり」と言われる綱渡りの授業展開があります。また、4年に5年の教科書を使って勉強し、5年になったら4年の教科書を使って勉強する「Aカリキュラム、Bカリキュラム」があります。そして、教員数30人の学校も5人の学校も書かねばならない書類は基礎は同じです。ということは小規模校の先生の事務負担は大変です。交通も便が悪いこともあって、先生方に人気がありません。

地域を守るために、何が何でも統合反対となっています。数人の小学生の運動会に、地域の人全員が集まるのはテレビに映されています。おおよそ微笑ましい光景のように扱われていますが、私には不健全に思います。

それが異学年の『学び合い』をやれば一気に解決します。人間関係が多様になり安定します。「わたり」や「Aカリキュラム、Bカリキュラム」を解消できます。先生方の負担は激減し、おそらく子育ての忙しい先生方から異動希望が殺到するはずです。

私は地域の僻地小規模校の連合の『学び合い』をやりたい。たとえば中学校区の僻地小規模校の子どもは中学校に行けば一緒になるのです。だったら月に2、3度はどこかの学校の体育館に集まって合同『学び合い』をやるのです。あははは。絶対大成功するに決まっている。

平常では、各学校の異学年『学び合い』の教室にスカイプで繋ぐのです。つまり、ある学校の子どもがスカイプに向かって「○○小の○○ちゃん、おしえて~!」と叫び、○○ちゃんがそれに応えるのです。あはははは

その連合『学び合い』を軸に各集落の保護者集団を創り上げるのです。子どもたちが一緒に学び合うことを望む姿を見て統合の必要性を感じ、地域の保護者が協働することによってコミュニティが拡大することのメリットを保護者が実感するのです。

2) 進学校における『学び合い

学び合い』のメリットを最初に感じ、最も支持するのは「勉強の出来る子」です。ロバートウイナーのような一部の天才はいざ知らず、勉強の出来る子は人の力を借りることがうまい子です。だからです。であれば、進学校の子どもは一番、『学び合い』を理解するのは早いはずです。ただ、海千山千の「ひねた子」や、同僚のあら探しをするような同僚に初期段階で立ち向かうには、それなりの「力技」が必要です。つまり、一斉指導でも大向こうをうならせるテクニックの嵐が出来る方が良い。でも、それさえ乗り越えれば、あとは簡単です。「それでいいの?」、「恥ずかしくない」というような、私がゼミで乱発しているような「嫌み・からかい」をやればむちゃくちゃに伸びます。そして、それは業者テストや偏差値に反映します。

 以上、二つが今年から新規にやりたい悪巧みです。

 『学び合い』研究をやり始めてびっくりしたのは、教師はそれほど子どもを分からせたいとは思っていないという事実です。そこそこが出来れば、それ以上を望みません。人間関係でも、人から非難されるようなこと(学級崩壊を連続して起こすとか、どんどん不登校を生産する)がなければ、多少の学級崩壊や数人の不登校は「しょうがない」と思っているようです。もちろん、それを個人の責任に帰すつもりはありません。つまり、今の学校は病んでいるのです。

 そのような中で、今までの考え方を根本的に変えねばならない『学び合い』に躊躇する教師や学校が多いのはしょうがない。結局、臨界点に達するだけ、周りに『学び合い』の実践が増えるしかありません。

 でも、それまでに達すまで増やすのはどうするか?その手立ての中に先の二つがあります。二つとも「結果」を本気で願っています。その結果を出せるならば、そうとうなことをやるほど大変なのです。

 もし、学校が本気に取り組む覚悟を持ってくれて、3ヶ月間、だまって『学び合い』(えせではだめです)をやっていただければ成功確実です。だって、単学年の『学び合い』よりは異学年『学び合い』の方が格段に簡単です。また、先に述べたように、勉強の出来る子の方が『学び合い』を理解し支持するまでの時間が短いし、深い。

 ふふふ。