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2010-05-13

[]一つの答え 18:14 一つの答え - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一つの答え - 西川純のメモ 一つの答え - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、新ゼミ生と個人ゼミを行い、そしてからかいながら楽しみました。『学び合い』を理解しようとゼミに入った学生さんですが、やはり旧来の考えの鎖に繋がれています。それは最善の方法があると考えている点です。私は「誰にとって最善?」、「そして一人の子どもだとしても、それはずっと最善?」と問いながらからかいました。次回が楽しみです。

[]政治のすべきこと 18:05 政治のすべきこと - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 政治のすべきこと - 西川純のメモ 政治のすべきこと - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』は集団のマネジメントそのものです。それだから、ドラッカーやリッカートが私は大好きです。しかし、私には両者とも、細かすぎるように思います。もちろん、多くの組織論や経営学の本より、圧倒的単純で大づかみで大好きです。が、それでも私には細かすぎる。特に理系の香がするリッカートはまだいいですが、ドラッカーは鑑賞するにはいいですが、それを指針とするには私の能力を超えてしまいます。ドラッカーの全貌を曲がりなりにも理解し、それによって個別の問題に対処するには、ものすごい時間と能力が必要です。それは私にはない。そして、おそらく多くの人にもないと思います。であれば、役に立たない、と私は考えます。(もちろん、役に立たなくても、その著作は鑑賞するに足るものです)

 しかし、そのような凡夫であっても組織を維持し、発展させている方は多いと思います。少なくとも、素晴らしい教室を実現している普通の教師を私はよく知っています。私はいかなる組織論や経営学よりも、『学び合い』は強力で有効だと確信しています。何故なら、馬鹿馬鹿しいほど単純で、凡夫にも分かるものだからです。そのような凡夫でも分かること、従って、凡夫でも実践することが出来ることが、世の中を変えると思います。何故なら、人間の圧倒的大多数は凡夫だからです。

 『学び合い』の考えで、子ども集団を見ている私は方とは違った見方をしてしまいます。

 おしかりを覚悟で書きますが(最後まで読んで下さいね)、国が弱者の生活保障をする社会を最善の社会とは思いません。何故なら、様々な弱者が必要としているものは多様だからです。ところが国で出来るのは、一律の経済支援等です。必要な仕組み(法)も一律ではありません。そして、個人においても流動するのですから、手に負えません。また、「弱者」と認定される人だけが支援が必要とされているのではなく、全ての人が支援を必要とされていると思っています。これは『学び合い』の基本的な考え方の一つです。

 であればどうするか。一斉指導のような管理者が直接何かをするのではなく、一人一人全員が何かをすべきです。このあたりはドラッカーは「断絶の時代」等において多様な事例をによって描いています。が、すみませんが、私には面白いが細かすぎるように思います。では、『学び合い』的に描くのであれば、政府のすべきこと。それは「多様な人間と折り合いをつけることが自らの有利であり、そのためには、一人も見捨てない、ということが大事」と訴え続けること。集団のメンバーの言動(例えば他のメンバーに対して何をして、何をしないかを第三者から見えやすくする)と達成度(例えば、収入等)を見やすくすること。身体的危害・人権的危害には直ちに断固たる処置をすること(逆にそれ以外はなるべく介入しない)。この三つだと思います。それだけで、ドラッカーが夢見ていたコミュニティが生まれると思います。学び合う子ども達を見て、それを確信します。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20090101/1230772865