■ [大事なこと]エンダーのゲーム
昨日の夜、ふと思いつきました。家内は寝る前にDSをします。そのゲームは限られたエリアを回って、色々なものを拾い、現金化して、そのお金で家を建て、増改築し、家具を充実させるというたわいもないゲームです。でも、家内はそれを毎日30分以上はやっています。一日中、家事に没頭しているのですから、そんなことをせずに眠ればいいのに、と思うのですが、目をこすりながらもやります。
考えれば、自分もそうでした。息子が生まれる前は、どれだけの時間をプレイステーションに費やしていたでしょう。おそらく、その当時の研究に対してのエネルギーと時間に負けないぐらい費やしました。が、もちろん、そこから何が生まれるわけではありません。全てを達成した後には、画面にエンドロールが流れるだけです。客観的に考えれば、とてつもなく無駄です。
そんなとき「エンダーのゲーム」という昔読んだSFを思い出しました。簡単に内容を説明します。地球は地球外生物との星間戦争のただ中です。主人公の少年はその軍の幹部候補学校に入学します。その学校では、入学した少年たちに、明けてもくれても戦争シミュレーションをさせます。宇宙戦艦、艦隊に指令を与え戦うのです。そして、撃破された敵と味方の多寡によって評価されます。物語は青春ドラマ仕立てで、少年たちの成長を描きます。さて、物語の最後の最後です。卒業のための最終試験もシミュレーションです。今までとは違って、敵の本星への突入です。紆余曲折はありますが、敵は撃滅されます。そのとき、試験官たちは涙を流しながら喜び合っているのです。どう考えても、自分たちの試験合格を喜んでいるレベルではありません。
実は、少年たちのやっていたシミュレーションは全て本当のことだったのです。つまり、少年たちが戦いに勝つためにある戦艦に突撃を命令し、結果としてその戦艦は撃破されたとしたら、それは本当に地球軍のある戦艦が撃破されたと言うことです。そして、何百、何千の人が死んだことを意味します。少年たちは知らないうちに、自らの命令によって多くの将兵を死地にやったのです。というSFです。
で、私は何を考えたかと言えば、日本中には家内と同様に、いや、それ以上に知的エネルギーと時間を費やしてゲームをしている人は山ほどいます。それらをリアルなものに還元し得ないか?と思ったのです。直ぐに思いつくのは、企業アンケートとの合体です。企業は商品アンケート等、さまざまなアンケートをインターネット上で実施しています。参加者を募るために、賞品や金銭をつけています。だったら、このアンケートをゲーム仕立てにしてはどうでしょうか?アンケートに答えることによってゲーム上の金銭と代えてもらえ、それらはゲーム内の家や家具に代えることが出来ます。それによってゲーム内の生活が向上するのです。そして、そのアンケートに対して、実の金銭が企業から国際貢献に行くようなシステムになるのです。参加者は、ゲーム群の中から国際貢献の内容によってゲームを選ぶのです。例えば、「○○国の砂漠地域の植林」とか、「○○国の小学校建設」のようなジャンルがあるのです。ま、素人の私が思いつくレベルのことは、きっと誰かがすでにやっているでしょうね。
次に思ったのは、『学び合い』です。これならば、私の得意分野です。『学び合い』のクラスにおいては、非常に知的レベルの高い学習者群が成立しています。その子たちは、特別活動の時間や総合的な学習の時間を過ごします。多くの学校では、教師が苦労して勉強し、その結果として教師は成長するが、子どもの成長はあまり期待できない時間となっています。でも、『学び合い』でやれば、彼らの持っている膨大な時間とエネルギーを解放することが出来るのです。これを活かさない手はない。
思いつきです。ネット上でバーチャルな町を創るのです。各クラス・学校で色々な企画をそこで実現するのです。例えば、「地方民話図書館」というものを作ります。子どもたちは地域の人から昔話を聞いて、それをコンピュータに打ち込みます。別な子は、それにあった挿絵や写真を入れるのです。ある子は、それを英語に翻訳するのです。最初は一つのクラス・学校で始めるのですが、色々なクラス・学校が参加していきます。それぞれの貢献はネット上の金銭と交換します。グーグルのように、その情報は評価されてボーナスがつけられるのです。これらは道徳の副読本、算数の問題集・・・のように教材と直結させれば、特別活動や総合的な学習の時間だけにとどまらず教科の時間にも広げられます。学校にいるときに得た自分のIDとネット上の金銭は、卒業後も使えるようになればいいですね。ある程度ためると、自分で図書館を建てられるし、ネット上のテレビに広告が出せるのです。
ね、面白いでしょ。金のない日本が、高福祉、高国際貢献を実現するには、国がお金を使ってやるのではなく、その貢献自体が楽しいシステムが必要です。そして、そのようなシステムを学校で学ばせることが出来たら。これって、『学び合い』だけが実現できるアイデアですよね。だって、一般学校でやったら、担当の先生だけがヒーヒー言って、たいしたものは出来ませんから。あはははは