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2010-06-22

[]テーマ 22:49 テーマ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - テーマ - 西川純のメモ テーマ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、二人のゼミ生の研究テーマのコアが決まりました。想像するだけで、目頭がウルウルするテーマです。楽しみです。

[]夢 09:02 夢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 夢 - 西川純のメモ 夢 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』で僻地教育、僻地問題をどのように解決するか、その青写真を書きます。

 僻地教育の問題の第一は、固定された人間関係です。大抵の子どもは幼稚園から中学校までの11年以上、全く同じメンバーで学年を構成します。こうなると安定している一方、がちがちに固定化してしまいます。でも、『学び合い』ならば、定常的に異学年が出来ます。『学び合い』では、同じ部屋に色々な学年の子が、それぞれの勉強をしています。必要があるときに他の子どもの所に聞きに行ったりします。そして、能力の高い子は、できない子がいないかを見回ります。絶えず会話があり、色々な学年の子どもといっしょに学びます。違った学年の子どもと同じ空間で学ぶことによって、様々な化学反応が起こります。やんちゃな上級生が、下級生に勉強しなければならないと説教します。そして、自分も真面目に勉強します(中学生もです)。先生に注意されると切れるやんちゃな下級生が、何故か、上級生に注意されると従います。調べてみると、同じ集落の子どもだそうです。今まで活躍できなかった学力低位の子が、一番優しく下級生に教えて人気者になることはよくあることです。一般校では体育館でやっていますが、僻地校だったら、ちょっとした部屋で直ぐに出来ます。ガランとした教室に机が数個並んでいる教室より、ず~っと自然です。このような状態の中で固定的な人間関係を打破します。

 さらに、僻地校の近くの学校は、大抵、僻地校です。もし、僻地校でネットワークが組めたらどうでしょうか?月に何度か、回り持ちでどこかの学校に午後集まるというものありですね。その学校に3、4校の僻地校の全校が集まるのです。そして、「さあ、どうぞ」と一言。少なくとも6年生あたりは良いと思います。おそらく、先生の車に乗るぐらいの人数ですから簡単です。どうせ来年から一緒の中学校に学ぶのですから。沖縄の『学び合い』校でやっているように、中学校の子どもと一緒にやれば、中一ギャップなんて吹き飛びます。小中合同のイベントは色々なところでやっていますが、『学び合い』の特徴は、教科学習でやっていることです。小学生は小学校の勉強、中学生は中学校の勉強です。これだったら、定常的にやれますよね。このようなイベントを充実させるのは日常の活動です。方法は、定点カメラのように各校のクラス同士をインターネットで繋ぐのです。ありがちな、時間を決めて交信し合うというものではなく、流しっぱなしです。もし、その学校の子どもたちで解決できないならば、「ねえ~、○○が分からないんだけど、誰か教えて~」とネットに呼びかけるのです。ね、面白いでしょ。『学び合い』は仕掛けはシンプル、それを多様に子どもが肉付けします。そんな超低レベルのインフラで、どれだけの発展があるか。

 先に述べたように、多くの授業は一部屋に全児童が集まるのです。そこに、全担任が集まります(といっても4人ぐらいですけど)。そこで、日がなゴチャゴチャと子どもを見ながら、互いに子どもの成長を語り合います。書類書きが忙しいときは、その先生は教務室に行けばいいのです。『学び合い』の異学年は、先生が一人いればいいですから(ま、一人もいなくても大丈夫ですが)。 年休は取り放題です。子どもが熱を出した、急な出張・・・・・。全部、OKです。育児休暇明けの先生の異動希望が続出するかも。あははは。年休消化率100%で組合や労働基準局から表彰されるかも。あははは。

 僻地では学校が地域コミュニティーの核です。だから、学校の運動校は、さながら地区の運動会です。それ故、統合問題に神経をいらだたせます。絶対反対、それが僻地の平均的なスタンスです。でも、考えてください。6年間、たった一人の小学校。3年間、二人だけの中学校。それは子どものためでしょうか?また、統合しなくても、地域の過疎化は進みます。学校の運動会に集まる人が二十人になって盛り上がるでしょうか?活性化するにしても、コミュニティーの人数が少なくては何も出来ません。縮小するコミュニティーに閉じこめられるのではなく、コミュニティーを拡大し、それによって活性化するべきです。僻地校では校区の保護者が支えています。もし、僻地校ネットワークが出来たら、それは地区の保護者ネットワークが出来上がります。そして、『学び合い』によって、その地域で生きたいと願う住民を育てるのです。

 インフラ整備には金がかかります。どんなに頑張っても、高速道路を十数キロ延ばすのでヘトヘトになるような日本です。それに期待しても無駄です。今、日本には素晴らしい資源が手つかずで、そして無駄にしています。それは、住民を引きつける強力な資源です。高速道路でも、新幹線でも、公民館でもありません。それは親であり、友であり、ともに生きたいと思うコミュニティーです。ドラッカーは、それをNPOに託しました。でも、わたしは『学び合い』学校に託したい。NPOより圧倒的に強力です。それがNPOと連携すれば、もっと強力になる。これが青写真です。以上のことは、予算0、いや、予算縮小も可能で実現できるんです。その第一歩を見に来ませんか?だから、お誘いします。7月7日の新潟県の真人小学校。http://bit.ly/cWdoeL