■ [大事なこと]管理職
私が教員になった頃、教頭は四十後半、校長は五十前半という基本が崩れ始めました。それは高校から始まり、速やかに義務教育に至りました。私は、尊敬すべき大好きな先生に、多くの先生方に管理職なって下さい、と言いました。しかし、今ではそう言えません。五十前半に教頭になっても、その激務。そして、「運良く」校長になっても五十後半。例外は少なくないとしても、そういう流れは少なくない。つまり、学校作りという校長の醍醐味を味わえない。校長と平教諭の退職金が1千万円の違いがありますが、それはどうでもいい額です。退職の時に、それを問題にするぐらいだったら、校長になればいい。管理職試験に合格するために、どれだけ大変か。教頭の激務はどれだけか。校長になってからの責任の重さはどれほどか。
だから、万人に管理職なって欲しいとは、今は言えません。でも、誰かは苦難の道を歩んで欲しい。だって、管理職は必要で、「ある」のですから。そして、管理職の意味は絶大です。今は、管理職は「望んでなる職業」ではありません。町内会の会長と同じように、だれもなりたくないが、だれかがならなければならない職になりつつあります。
でも、「節」を曲げてもなるほどの職業ではないことは確かです。
暗澹たる気持ちです。私は『学び合い』に関して悲観的にはなったことがありません。でも、日本の教育の管理職が魅力のないことを憂います。でも、誰かは苦難の道を選んで欲しい。