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2010-07-18

[]お勧め 19:27 お勧め - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - お勧め - 西川純のメモ お勧め - 西川純のメモ のブックマークコメント

 同志へのお勧めです。

 子どもたちに「君たちは、素晴らしい日本を創るために意味あることやっている」と語ってください。それが伝われば、彼らはもっと凄いことをやってくれるのです。そして、それが彼らの将来にわたる幸せを保証してくれる集団を形成します。

 で、も、「そんなことは普通の教師である自分とは関係ない」と思っているかもしれません。しかし、そんなことはありません。それをちゃんと説明したくなりました。以下はゼミ生からよく聞かれ、そのたびに語ることです。

まず、『学び合い』が一般化し、人との折り合いをつけて、一人も見捨てないことが自分にとってもメリットがあることを理解する大人が毎年大量に生まれたならば、素晴らしい日本が生まれることに関しては理解しているという前提で話します。では、それが広がらない理由は何だと思いますか?第一に、やり始めないからです。第二に、やり始めた後のサポート体制がまだたりないからです。

 では、何故、やり始めないからか?理由は「そんな馬鹿な~」と思うからです。でも、これって当然だと思います。『学び合い』のメリットして私が言っていることなんて、怪しげな雑誌の裏にあるダイエット法の宣伝も赤面するようなことです。信じられないのが当然です。そのため、様々な学術研究を積み上げ、それがデータ的に正しいことを蓄積しました。しかし、このようなデータで説得される人ってごく少数なんです。だって思い出してください。新しい電化製品の宣伝文で買うことを決意する人なんて殆どいませんよね(でもいることはいます。そういう人が、『学び合い』に最初に実践した人なんです)。では、興味を持った人はどうするでしょうか?それの実物を置いてある家電量販店に行き、さわり、販売員の説明を聞きますよね。さて、この実物と販売員の説明が、『学び合い』の公開なんです。実際の子どもたちの姿と皆さんの説明によって、『学び合い』が本物であることを伝えることが出来ます。これは『学び合い』の同志だったら出来ることです。以前に書いたとおり、公開することによって、子どもたちがジャンプアップするのですから、本当にお勧めです。

 でも、家電量販店に行こうとしてもらえなければしょうがありません。思い出してください。皆さんが薄型テレビを買おうとしたのは何故ですか?また、その他の新型家電を買おうと家電量販店に行こうとしたのは何故ですか?おそらく、様々なマスコミを通して、「最近、●●を買う人が多くなってきた」という情報が影響していると思います。そうです。ホモサピエンスに説得する最高の方法は、論理的な説明ではないのです。それは「みんながやっている」という一見非論理的な説明でありながら、実質において最も確実な説明によります。この「多く」という度合いが高まるに従って、買おうとする一歩を踏み出す人が急激に増えます。ただ、この「多く」は体感的なもので、客観的なものではないと言うことです。例えば、子どもが「みんな持っているから買って」と言うので、誰が持っているかを確かめると3人ぐらいで言いよどむ、あれと同じです。

 今の世の中、この「多く」を判断する情報を我々は意外に多く持っています。例えば、実践発表者がいなくて困っている会は教員社会には山ほどあります。手を挙げさえすれば、即、決定ということもありえます。また、ブログやツイッターなどのインターネットで情報発信は誰でも出来ます。では考えてください。皆さんの職場には数十人の同僚教師はいますよね?その中で、上記のように実践発表を積極的に手を挙げる人はいますか?高頻度でブログ、ツイッターで実践を発信する人はいますか?おそらくいないのではないでしょうか?では、中学校区や市レベルを考えてください。どうですか?おそらく、かなり少ないと思います。おそらく1%もいないと思いますが、仮に1%だとしましょう。そうすると、もし、貴方が積極的に情報発信をすれば100人分の影響力が生まれます。考えてください。もし、市レベルで10人の人がそのようなことをすれば、その市の実践情報は『学び合い』で埋め尽くされて、一見、その市は『学び合い』で満ちあふれているように感じさせることが出来ます。でしょ?

 さて、上記のことはみなさんの平常の教育実践に矛盾するでしょうか?矛盾しないと思います。『学び合い』の授業公開は、普段の子どもの姿を見せて自慢すればいいのです。何かの会の実践発表だって、ブログだって、自慢すればいいだけです。何だったら、資料は子どもたちにつくらせればいい。

 さて、次にやってみようと決意した人をどうサポートするかです。『学び合い』を1年以上続けた方だったらお分かりだと思いますが、『学び合い』で躓くことの圧倒的大多数は、分かってしまえば簡単なことです。その多くは見方を変えるきっかけがあればいいことです。例えば、「ルビンの壺」を壺と見ている人に、「向かい合っている人の顔にも見えるよ」と言うだけで全く別の見方が出来るこに気づかせることが出来るのと同じです。それほど難しくはないのです。私が日本全国の先生方の「お悩み相談」が出来るのは、基本的に簡単だからです。

 簡単なのですが、悩んでいるその時にアドバイスする必要があります。私に相談すればいいですが、見ず知らずの大学教師に相談することに躊躇する人は多いですよね。また、私の説明と相性が悪い人もいます。ですので身近にアドバイスがする人がいれば一番ですよね。このあたりのことを考えると核物質の臨界量の話を思い出します。

 核物質は一定の頻度で中性子が発生します。ところが発生した中性子はいずこかへ飛んでいってしまい、それで終わります。ところが核物質が一定量を超えると、発生した中性子が別の核物質に当たり、それによって新たな中性子が生まれます。自然消失する中性子と新たに生まれる中性子が同じになれば、中性子発生は持続します。そして、核物質がさらに増えれば連鎖反応が起こり、中性子は爆発的に増えます。さて、『学び合い』はその臨界量に近づいていると思っています。少なくとも、地域レベルではその臨界量を超える地域は、数年以内に生まれると思います。

 私は、『学び合い』のことに関する様々な教師からのお悩みメールを毎日多数いただいております。そして、一度たりとも誠意のない対応はしたことはありません。理由は、上記のことを本気で信じているからです。メールの先にある方々は、日本を変える力を持った方々であると確信しているから、誠意を持って対応しています。全国の同志の方は、私のこの確信を共有して欲しい。我々はみんな日本を変える力を持っています。当然、皆さんの子どもたちは、日本を変える一翼を担っているのです。それを語って欲しい。その語りが、今皆さんが超えられない一線を越える原動力となります。

 お勧めします。

[]大事なことは 15:44 大事なことは - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大事なことは - 西川純のメモ 大事なことは - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある授業が素晴らしいとき、圧倒的大多数の先生は、その時に教師が何を語り、どんな教材を与えたかに着目します。一般的すぎて意識しないかも知れませんが、教員研修団体で模擬授業をして、素晴らしい授業を学ぼうとするのは上記の前提があるからです。つまり、その時に何をやったかが、その授業に結果として出るとしているのです。

 でも、『学び合い』の授業の場合、シンプルな課題、何もしてないかのような教師があります。『学び合い』を通して、教師の立ち位置、教材の芯がどこにあるかを意識します。『学び合い』においても飛び込み授業があり、模擬授業があります。そこでは、ギリギリに切り詰めたものの意味を語ります。また、私も講演ではそれを語ります。でも、それは方便なんです。

 本当に素晴らしい『学び合い』の実践者の中には、その授業で本当に何もしていない人もいます。事実、その先生がいないのに素晴らしい授業が成り立っているのです。当然のことながら、気功師ではないのですから、いないのですからやっていないのです。課題だって、「教科書のその日の単元名」に「がみんなが分かるようになる」という課題の場合があります。それでOKなんです。こうなってしまうと『学び合い』はオカルトのようですね。でも、多くの教師が見逃しているところがあります。

 授業はクラスづくりの基礎の上にあります。たから、その時に何もしなくても、どうでもいいのです。普段の中で何をしているかが大事です。校長と自分に置き換えれば当然すぎるほど当然ですよね。では何が大事か?それは「考え」なんです。学校教育は何のためにあるか?ということに明確に応えられるか否か?集団をどのように捉えていており、信頼しているか否か?なんです。でも、もう一つあります。

 子ども達がどれだけの高いパフォーマンスを達成するかどうかは、その人の「志」と「夢」が影響します。教師の志が10であるならば、圧倒的大多数の子どもは10を越えることはありません。でも、教師の志が100であるならば、凡庸な子どもであっても80を達成することが出来ます。そして、教師の志が∞であるならば、子ども達はどれだけ達成できるかは教師も分かるわけありません。ただし、その志や夢が大きければいいかと言えば、そう単純ではありません。それらが自らの直近の利害にも、子ども集団の直近の利害にも、そしてそれが3ヶ月先の利害、半年先の利害、一年先の利害、5年先の利害、十年先の利害・・・と明確に語れるか否かが大事です。

 私は25年間もがいて、『学び合い』に至りました。もし、上記のことに関して『学び合い』以上に説明力があるものがあれば、その瞬間に私はそれに宗旨替えをします。でも、可能性があるとしたら、それを取り込んでより高次な考えを構築すると思います。

[]唐揚げ弁当記念日 12:02 唐揚げ弁当記念日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 唐揚げ弁当記念日 - 西川純のメモ 唐揚げ弁当記念日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 久しぶりにホットモットの弁当で昼飯。息子は唐揚げ弁当。そして完食。最初は半分も食べられず、それを私が食べていた。が、今日は、ぜ~んぶ食べた。大きくなったことを実感する。