■ [大事なこと]優先順位

以下に書いたことを前提において、それとは別の次元の話をします。
以前からどうしてそれを教えるのかわかないものの代表として、書き順と古語があります。何度も書いているように、それに教育的価値がないと言っているのではなく、相対的に小さいのではないか?と思っています。
国語の時間は有限です。古典文法に時間を割くより、その現代語版をたくさん読む方が価値があると思います。書き順も、その価値はあるとはありますが、相対的に小さくなります。ちなみに、私はペンや鉛筆で書く機会は殆どありません。おそらく、この傾向は強くなるでしょう。学校のノートも、パソコンに取って代わられるのは、そう遠くない時代だと思います。ちなみに、上越教育大学は数年前からノートパソコンを前提とした授業を行っています。「鉛筆で書くべきだ」という論理は、「心を静めて墨をすり、毛筆で字を書くべきだ」と同じような運命になるでしょう。現在の小学校では、書き順に多くのエネルギーを費やしています。そんなことに時間を費やすより、より多くの漢字の意味を学ぶべきだと思うのです。例えば、褒める、誉める、賞めるのように、似たような音で、意味が微妙に違う言葉を、漢字を使えば分けることが出来ます。こっちに時間を費やす方が良いと思うのです。
以上のように、国語の素人は思うのです。
是非、古典文法や書き順を学ぶことは、国語の他の勉強を削っても学ぶべきなのかを教えてほしいと思います。この二つは、微妙な差ではない、大きな差があります。ちなみに、これは国語ばかりではありません。私は「仮定法過去完了」の文章を、大学、大学院でも出会ったことがありませんし、大学人としても出会ったことがありません。
追伸 突っ込まれる前に書きますが、言葉のリズムや音の美しさがあります。が、古典の授業で、その美しさを伝えている人がどれほどいるでしょうか?極端なのは漢文です。四声で漢詩を読める教師がどれほどいるのかな~?
追伸2 一流の専門家は、専門的な内容を平易な言葉に代えることが出来ます。専門的な内容を専門的に語るのでしたら、大学の学部生でも出来ます。
■ [大事なこと]民主主義

教師は人に強いる職業です。その権限は、法によって定められています。
憲法では、教育に関して、以下のように定めています。
第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
これによれば、「子ども」は学ぶ権利は持っていますが、学ばなければならない疑問は負っていません。
また、憲法には以下のように書かれています。
第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
私は職業柄、多くの授業を見ます。中には5分で苦痛に襲われる授業があります。はっきり言って、従来型の大多数はそうです。そのようなつまらない授業を、黙って机に座って聞き、ノートにとることが求められる。これは奴隷的拘束ではないのでしょうか?苦役ではないのでしょうか?その授業が全く分からず、意義も見いだせない子どもの立場になって下さい。それを教育というならば、収容所を矯正所と称する国とどこが違うのでしょうか?
まず、上記を理解してほしい。我々はとても恐ろしいことをしているのです。
では、これを理解した上で、個々のことを課す根拠を求めるとしたら、それは教育基本法であり、学校教育法です。そして、それに基づく、指導要領です。是非、それを読んでほしい、そこには「黙って聞く」、「ノートにとる」というような学習規律と称する前近代的な奴隷的拘束は一行も書かれていません。
教師は、「これこれのことを学ぶべきだ」とか、「これこれの方法で学ぶべきだ」と民主国家の他人の子どもに強いる職業です。そう言うならば、それをちゃんと説明する義務があることを忘れてはいけません。行政の全てに言えることですが、それを正しいと説明する義務は行政側にあるのです。
私はぎりぎりまで考えて、内容に拘る目的観を捨てて、『学び合い』の学校観にいたりました。学ぶ内容に関しては指導要領に根拠をおいているのですから、法によってたっています。学ぶ方法は法は指定していません。だから、我々は子どもに方法は強いていません。我々がやっているのは、学校教育法第1条に規定されているものを、実証的データに基づき具体的に説明しているだけです。
これを超える、論理的な内容・方法の規定があるのならば、学びたいと思います。
どうも、教師には法を超えた権利を持っていると思っている人や、自分が強いていることがそれを求めない人にとってどれほど苦痛かを分かってない人がいと恐れます。
最後に、憲法には以下のようにも書かれています。
第17条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
ちなみに、上記は自動的にそれが強いられるような公教育に関してです。その教育を受けることを拒否することが出来る場合は、学習者と学校(もしくは教師)の明示的な同意があるならば上記の限りではありません。