■ [ゼミ]世界平和
私の大学学部時代はかなり荒れていました。信じられないと思いますが、現在の教頭の給料程度の仕送りをもらい、それを全部、遊びに使っていました。月に1度は銀座で遊んでいました。両手に指輪をはめ、パイプ・葉巻を加えながら、オープンカーのジープで大学に通学。楽しかった。が、学部4年になって、それが何も残らないことに気づきました。このままでは社会に出られない。そこで、大学院に入学しました。
でも、何をしたらいいか分かりません。悶々としていました。ある日の夜、大学院の控え室に行きました。そうしたら、誰もいないと思っていたのに、H先輩がいて研究をしていました。とても素敵に思えました。どうしたらいいのか、何が出来るのか、そんなの分かりませんでしたが、今自分に出来そうなことはそれだけでした。そして、いきなり「理科教育を振興し発展途上国の工業発展を促すことによって世界平和を実現する」というたい、その目標を自分に強いました。その日の次の日から日に十一時間以上、机にかじりついて本と格闘しました。土日もありません。自分が萎えそうになると、「俺は世界平和のためにやっているんだ!」と自分を鼓舞しました。そして、自分が逃げられないように、ありとあらゆる人に「世界平和」を連発しました。そしてターゲットに定めたマレーシア(当時、ルックイースト政策をマハディール首相が掲げていました)の1m四方の地図を、私の院生控え室の机の上の天井に貼りました。それから28年間、紆余曲折はありましたが、今では「日本を変える」を連発しています。羅漢は何かに没頭する姿の象徴です。羅漢の視野は狭く、如来の間は遠く離れている。しかし、羅漢のみが如来に至ることができると亀井勝一郎が書いていました。
昨日、ゼミ生に「日本を変える」を連発し、その言葉を聞いているゼミ生の顔を見ながら、私の28年前を思い出しました。とてつもなく高い課題を自らに課し、それに向かって効率無視で藻掻く。多くは無駄に費やしてしまうエネルギーと時間の最高の対象だと信じています。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20031021/1172926774